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2007-09-17 (Mon) 06:09

長い暁/眉村卓

司政官シリーズの短編集2冊目「長い暁」です。この本では、3編の作品が収録されています。

「照り返しの丘」は、司政官制度がスタートして連邦軍の駐留部隊から司政官へ権限が移されたばかりの時代を舞台にした作品でした。司政官の黎明期で、どうやって植民惑星を統治してゆくのか試行錯誤があったようです。
この星の原住民は、星を支配していた種族が滅んでしまった後に残ったロボットたちです。司政官としての意欲に溢れた主人公が乗り込んできてロボットたちと交流を開始するのですが、ロボットたちは司政官のサポート役のロボット官僚を仲間として認識してしまいます。おまけにロボットたちが守っている場所を調査するためには何段階かのステップが必要で、それは今の司政官の任期中には明かされそうもないという皮肉な結末でした。

「扉がひらくとき」は、司政官制度がようやく軌道に乗り始めた時期のお話です。
惑星ゼクテンでは、2年おきに原住民の大移動が起こります。この原住民の描写も興味深いのですが、このお話では司政官の恋愛感情について触れられているのが驚きでした。

機械のように感情をコントロールする訓練を受けてきた司政官でも恋をすることがあったんだ~と素朴な驚きを感じました。それでも徹底して自己制御しようとする司政官の姿は、何となくストイックな求道者のようですね。

この本のタイトルともなっている「長い暁」は、3編の中では1番長いお話でした。
司政官制度がスタートしたばかりで、司政庁はまだなく連邦軍の駐留部隊の中に司政官は間借りしている状態です。ロボット官僚も充実しておらず、他の作品でSQ1と呼ばれるロボットも、この作品では単にSQと呼ばれています。

司政官制度が始まったばかりで、連邦軍とは違った司政官独自のやり方を推し進めたくても、それに必要な機材が不足しているばかりか、まだ司政官の有効性が連邦内でも疑問視されているようです。

これまでの司政官の物語と違い、原住民の情報がほとんど得られていない状況でした。
司政官たちの視点から、この星の人々の慣習を読者も学んでゆく形式の物語でしたので、これまでの原住民を扱った物語の中では一番読みやすかったです。
特に原住民の中へと赴いた司政官たちの一行が、原住民たちの戦争に巻き込まれて危機に陥った時、それを救ったのがSQの機知だったのが面白かったです。

最終更新日 : -0001-11-30

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