時々の記録

コンピュータとアニメ感想etc.のブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆

Top Page › 読書 › 眉村 卓 › 産業士官候補生/眉村卓
2007-09-10 (Mon) 01:39

産業士官候補生/眉村卓

眉村卓さんの「産業士官候補生」を読み終えました。

これは9篇の短編を収録した作品集です。いずれも未来社会で働く人を主人公に据えて、会社優先、利益優先の殺伐さが感じられる未来社会を舞台にした物語です。SFというオブラートにくるまれていますが、この中の作品が抱える問題は今現実に私達の側にある問題になっているような気がします。

収録されている作品のうち、「工事中止命令」「最後の手段」「虹は消えた」の3篇には、パイオニア・サービス会社と呼ばれる万能奉仕屋の無任所要員・杉岡勉が登場することで、シリーズとしての繋がりがあるようです。

迷宮物語「工事中止命令」は、「迷宮物語」というオムニバス形式の映画の1本としてアニメ化されていますので、ご覧になった方もあるかもしれません。

表題となっている「産業士官候補生」は、産業界のエリートを養成するために、優秀な人間が秘密の施設に集められ、徹底した非人間的なスパルタ教育を受けるお話です。
この施設で教育されたエリートたちが働くようになったら、どんなに冷酷な社会ができあがるのか恐ろしさを感じました。

眉村さんのサラリーマンを主人公にした小説は、学生時代にはあまり積極的に読む気になれませんでしたが、社会人になった後で読むと、主人公たちの生き方に共感できるものがありました。
その中でも特に印象的だったのは、会社で仕事をしている時は会社という後ろ盾が、その人に力を与えていることを指摘する部分です。これは一度でも転職・退職などされた方には、思い当たる節があるのではないでしょうか。

最終更新日 : 2022-10-30

Comment