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2007-07-25 (Wed) 23:58

樅ノ木は残った/山本周五郎

山本周五郎さんの「樅ノ木は残った」を読み終えました。文庫で上・中・下の3分冊という大作でしたが、読み始めたら面白くて一気に読み終えてしまいました。

日本史には疎いので元になった事件は知りませんでしたが、この作品では従来「伊達騒動」で悪人とされてきた原田甲斐を主人公にして、これまで悪役であるとされてきた彼が実は藩の存続を図るために、自ら悪役を買って出て、幕府の伊達藩お取りつぶしの陰謀から藩を守り抜くまでの物語です。

つとめを果たしてない時は山にこもって、自然児のように大鹿を狩ろうとしたりする甲斐や、藩を守るという大きな目的のためには友人たちから非難されても自らの役目を果たし抜く姿は、ハードボイルドの主人公のようだなあと思いました。
甲斐に関わる様々な人物が登場しますが、その中でも印象に残るのは、陰謀の渦中で上意討ちとして殺された藩士の娘・宇乃です。親子ほどに年の差のある2人ですが、2人の気持ちは常にどこかで繋がっている親密感がよかったです。

伊達藩を守り抜いたものの、乱心者という汚名を自ら着て甲斐は死んでゆきました。その甲斐が植えた樅ノ木を宇乃が見守る場面で、物語は静かに結末を迎えます。
この終わり方は、作品のタイトルから十分に予想できる結末なのですが、それでもほろりとさせられる余韻のある終わり方でした。

甲斐以外にも様々な登場人物が出てきますが、その中で記憶に残るのは宇乃と同じく家族を殺されて逃亡した新八という青年です。処分を受ける途中で逃げ出したところを、おみやという女性に拾われて、その兄の浪人にさんざん利用されます。
おまけに、いつの間にかおみやともいい関係になってしまい、不甲斐ない運命を呪って生きていましたが、最後には浄瑠璃という道を見いだし、おみやとも結ばれ、侍の世界から離れて生きてゆくことになります。

最初はあまりの不甲斐なさに新八の出てくる場面は読むのが辛かったですが、泥沼の中でもがくように生きながらも、新八が自分の道を見いだしてゆくのには心惹かれるものがありました。

最終更新日 : -0001-11-30

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