日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆

Top Page › 読書 › 読書(その他) › 孤拳伝 完結篇/今野 敏
2007-07-22 (Sun) 21:30

孤拳伝 完結篇/今野 敏

長いようで短かったこの作品も、これでいよいよ完結です。

沖縄で屋良老人から指導を受けていた剛でしたが、再び由佐肇や劉老師と戦うために旅立つことになりました。これまで寂しさを知らずに生きてきた剛でしたが、屋良老人や屋部長徳との別れは辛かったようです。

そして、熊野の山中へと入った剛は、再びそこで由佐と戦います。由佐を制しようとする時、剛はもはや由佐の敵ではありませんでした。しかし、由佐を傷つけようと攻撃すると、その攻撃はことごとくかわされてしまいます。
かなり高い境地にまで剛は達していましたが、まだそれがどういうことなのか腑に落ちないようです。割り切れない気分のまま、剛は横浜へと戻ります。

剛のかってのライバルであった鉢須賀も、緋田と始めた武了会の中で武術のあり方について模索していました。会を大きくするために試合をしたいと言う緋田に鉢須賀は否定的です。
試合の先に待っているもの、それはかって緋田や鉢須賀が目指したものではなかったからです。
そんな時、鉢須賀もかって戦った冥道がアメリカで行われた総合格闘技の試合後に急死したことを知りました。ひたすら強さを求めたあげくの、悲惨な死でした。
そして鉢須賀は武了会は、試合ではなく別の道を進むことを提案します。相手と競うのではなく、自らが磨き上げた技を披露する演武会を行うことです。

一方、新宿では宋陵元が剛との再戦を待ちわびていました。かっての敵だった勢力を利用して剛が横浜にいることを知った宋は、ついに剛に戦いを申し込むのでした。そして、その立会人として宋は、劉老師を指名するのでした。

そして、剛と宋の戦いが始まりました。かっての剛のように戦意をむき出しにした宋でしたが、剛は闘志すら感じさせないほどひっそりとしています。しかし、宋が突っかかって行っても、剛には手も足も出ません。何度かそれを繰り返し、ついに宋は剛が自分とは次元の違う別の戦いの道へと進んでしまったことを知るのでした。

宋との戦いの後、ついに剛は再び劉老師に戦いを挑みます。老師との戦いに気負った剛は、やはり以前のように最初は老師に圧倒されますが、徐々に自分がたどり着いた武術の境地を発揮します。
2人の達人の戦い。それは互いに相手を制して、もはや戦いにならない究極の場所でした。

そして、剛は再び各地を回る修行の旅の生活へと戻ってゆきました。剛を待ち続けていたマリアがどうなるか気がかりでしたが、マリアは自分の剛への思いは愛ではないことに気がついていました。彼女は、松原と一緒にこれからの人生を歩むことを選んだのでした。

最初はドロドロとした戦いが多かった作品でしたが、最後はとても清々しい気分になれました。本当に強いとはどういうことなのか、日常の中にある武道とはどういうものなのか、などいろいろと考えさせられました。
この作品を読んだおかげで、試合に向けて体調を整え戦う格闘家への違和感をようやく理解できたような気がします。

この作品は、空手や柔道、剣道などといった武道をされている方や興味を持っている方にお薦めな作品だと思います。多くの武道がスポーツ化してゆく中、武道とは何なのかを考えるきっかけになるのではないかと思います。
書籍は残念ながら絶版になっているようですが、電子ブックの形で流通しているものなら今でも購入可能です。

最終更新日 : -0001-11-30

Comment







管理者にだけ表示を許可