
この本の中に、ブラジル旅行のことも収録されていましたが、やはり一番面白かったのはベトナムへの旅でした。同じ本の中に与那国島への旅やノサップ岬への旅行記も収録されていましたが、不思議なことに沢木さんの海外での旅のような楽しさがありませんでした。沢木さんは、海外へ行かれた時の方が、言葉も通じず苦労していても自由な感じがしました。
「ミッドナイト・エクスプレス」でもそうですが、東南アジアへ出かけた時の沢木さんの商人との値切り合戦が楽しいです。値段があってないような、その時の気分と相手次第で価格が決定してしまう。売る方は相手が値切ることを見越して高い価格を最初に言う、買う方もそれを承知で値切る。こういうやり取りは、今の日本ではまずお目に掛かれませんので。(家電店で買い物をして交渉することはありますが、それでも値段がいきなり半額になったりはしませんし^^;)
このベトナムへの旅に出かけた時、沢木さんは墜落事故の後遺症で腰痛を抱えていたはずなのですが、書かれている文章のどこにもその辛さが書かれていないのが凄いと思いました。私だったら、絶対に愚痴の1つも書きたくなってしまうだろうなあ。(^^;
ベトナムの旅では、沢木さんにしては珍しく(?)、高級なホテルに宿泊していました。安宿を探して旅するのも楽しそうですが、高いホテルには高いなりの良さがあるんだなあと思いました。景観の良さなどは、やはり安宿では味わえないでしょうしね。
最終更新日 : 2022-10-30