
(以下、ネタバレがありますので、未読の方はご注意ください)
久しぶりの推理小説ということで、中盤あたりまではかなり楽しく読むことができました。暗号やキリスト教の隠された真実などがお話の中心になっていて、知的好奇心をそそられました。
しかし、中盤以降の謎解きがあまりにもお粗末でご都合主義だと思いました。歴史的な謎に関わる部分は楽しいですが、肝心のミステリーとしての構成が期待はずれでした。
特にがっかりしたのが、第2のクリプテックスを開けるためのパスワードです。ニュートンが関わっているとわかってすぐにキーワードがわかっちゃったんですよね。(^^; 読んでいたのが、たまたま iMac の前だったこともあるかもしれませんが。(笑)
そして最大の失望は、これだけ長い間読者を振り回しておきながら、最も重要な謎である聖杯の種明かしがされてないことです。本当に種明かしをすることは無理だと思っていましたが、主人公がその謎にたどり着いたところで物語が終わってしまうのが最悪です。
せめて、謎を知った主人公が謎を謎のままにしておく理由が描かれたら、まだ納得ができたんですけどね。
それから、ラングドンとソフィーがいい関係になってしまうあたりは、安っぽすぎますね。
アリンガローサ司祭と修道僧シラスの関係が魅力的だっただけに、よけいに惜しいと思いました。
最終更新日 : 2022-10-30