アガサ・クリスティーのミステリーではない小説、「春にして君を離れ」を読み終えました。
この物語の主人公ジョーン・スカダモアは、良き妻、良き母として満ち足りた人生を送っていました。しかしバグダッドにいる娘を訪ねた帰りに、旧友と出会ったことをきっかけに、それまでの自分の生き方を見直すことになります。そして彼女の幸福は、実は家族の犠牲の上に成り立っていたという、認めたくない事実に直面します。
殺人や難事件が起きるわけではないお話ですが、ジョーンの過去が明らかになってくるに従って、彼女に対する不快感を持つようになりました。そんな人物が主人公なのに、最後まで読まずにいられないところが、さすがにクリスティーだなあと思いました。
物語の後半で、ようやくジョーンは自分が目を背けてきたことに気づきます。そして同時に、読者自身も目を背けてきたことがあるのではないかと思わせるところに、この作品の怖さを感じました。

この物語の主人公ジョーン・スカダモアは、良き妻、良き母として満ち足りた人生を送っていました。しかしバグダッドにいる娘を訪ねた帰りに、旧友と出会ったことをきっかけに、それまでの自分の生き方を見直すことになります。そして彼女の幸福は、実は家族の犠牲の上に成り立っていたという、認めたくない事実に直面します。
殺人や難事件が起きるわけではないお話ですが、ジョーンの過去が明らかになってくるに従って、彼女に対する不快感を持つようになりました。そんな人物が主人公なのに、最後まで読まずにいられないところが、さすがにクリスティーだなあと思いました。
物語の後半で、ようやくジョーンは自分が目を背けてきたことに気づきます。そして同時に、読者自身も目を背けてきたことがあるのではないかと思わせるところに、この作品の怖さを感じました。

最終更新日 : 2022-10-30