著者の小説「帰れない山」が好きなので、著者の転機となった山小屋での体験を語ったこの本を読みました。
30歳になった著者は、書くことができなくなってしまいました。そこで著者は、それまでの生活から離れて、山小屋で生活しようと思い立ちました。かって彼は、長い時間を山で過ごしていましたが、今は山から遠のいていました。山小屋を手に入れた著者は、冬が来るまでそこで生活を始めます。
著者の小説でもそうでしたが、自然描写が素晴らしいです。そして、近くに住む住人や牛飼いとの交流、別の山小屋で出会った2人の青年との短期間の生活、動物たちの姿。この本を読んでいると、その光景が見えてくるようでした。
そして先に読んだ「帰れない山」を思わせる描写も、興味深かったです。
1つ気になったのは、本の裏表紙に書かれていた「スマホを捨てよ、山へ出よう」という言葉です。山小屋生活とはいえ、著者の住まいには電気も通じていますし、近隣の友人とメッセージをやり取りした記述があることを見ると、おそらくスマホも使える環境です。
それを著者が本書内で主張してもいなのに、テクノロジー=悪、自然=善という一方的な価値観を押しつけられているようで、なんとなく不愉快でした。本書の内容が素晴らしいだけに、それだけが残念でした。

30歳になった著者は、書くことができなくなってしまいました。そこで著者は、それまでの生活から離れて、山小屋で生活しようと思い立ちました。かって彼は、長い時間を山で過ごしていましたが、今は山から遠のいていました。山小屋を手に入れた著者は、冬が来るまでそこで生活を始めます。
著者の小説でもそうでしたが、自然描写が素晴らしいです。そして、近くに住む住人や牛飼いとの交流、別の山小屋で出会った2人の青年との短期間の生活、動物たちの姿。この本を読んでいると、その光景が見えてくるようでした。
そして先に読んだ「帰れない山」を思わせる描写も、興味深かったです。
1つ気になったのは、本の裏表紙に書かれていた「スマホを捨てよ、山へ出よう」という言葉です。山小屋生活とはいえ、著者の住まいには電気も通じていますし、近隣の友人とメッセージをやり取りした記述があることを見ると、おそらくスマホも使える環境です。
それを著者が本書内で主張してもいなのに、テクノロジー=悪、自然=善という一方的な価値観を押しつけられているようで、なんとなく不愉快でした。本書の内容が素晴らしいだけに、それだけが残念でした。

最終更新日 : 2022-10-30