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2022-07-01 (Fri) 22:06

予告された殺人の記録/G.ガルシア=マルケス

久しぶりにガルシア=マルケスの作品を読みました。この作品は、コロンビアのとある町で起きた殺人を扱った作品です。

コロンビアに住むアラブ系の青年サンティアゴ・ナサールが、同じ町に住む双子の兄弟に惨殺されます。それは彼らの妹の結婚式が行われた日のことでした。彼らの妹は、半年前に町に現れた男です。その男は、双子の妹をひと目で気に入り、双子の妹と結婚したのです。ところが、その娘は結婚前に他の男と関係を持ったことがありました。それを知った男は、娘を実家に帰しました。

その娘と関係を持ったのは、サンティアゴ・ナサールだと噂されていました。双子は名誉が傷つけられたと、サンティアゴ・ナサールに復讐しようとします。ところが、彼らがサンティアゴ・ナサールを殺そうとしていることは、すでに多くの住民が知っていたのです。また双子も、本心では誰かに自分たちを止めて欲しいと考えていました。しかし誰も双子をとめることなく、ついに殺人が決行されてしまいます。

物語は当時その町にいた著者の記憶と、事件から30年後に著者が当時の関係者から聞いた話が入り組んで語られていきます。それが物語に、奇妙な揺らめきを与えていました。そして何と、実際には双子の妹と、サンティアゴ・ナサールの間には何もなかったことがわかります。彼はなぜ殺されたのかもわからないまま、双子に殺されたのです。しかも、多くの人が彼の危険を知りながら、彼の死を防ぐことができなかったのです。
理不尽な殺人のやるせなさ、そして止められたはずの町の人々の無関心さが心に残りました。

この物語は、実際にあった事件を元に著者が"物語"として構成したものだそうです。ページ数も多くない中編ですので、「百年の孤独」に挑戦したけれど挫折した方は、まずこの作品から読んでみてもいいかもしれません。・・・人間関係のややこしさは、この作品も同じですが。(^^;

最終更新日 : 2022-07-01

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