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2022-06-07 (Tue) 21:28

涅槃(下)/垣根 涼介

垣根涼介さんの「涅槃(下)」を読み終えました。

勢力を拡大した直家には、東と西に大きな脅威がありました。東には織田信長が上洛して、さらにその勢力を拡大してしています。西の毛利家も、宇喜多家と対立する勢力を後押しして境界を脅かしています。

今後の宇喜多家のことを考えると、いずれはどちらかの勢力に与すると直家は考えていました。そんな直家の前に、小寺家に仕えている黒田満隆が現れました。満隆は子の黒田官兵衛に家督を譲り、すでに隠居の身でした。彼らに勧められ、直家は自ら信長に接触します。

信長の苛烈な性格を、直家は好みませんでした。しかし、宇喜多家の存続のために信長と通じます。そして主君である、浦上宗景に反旗を翻しましたが、その時の企ては失敗し浦上家に降伏しました。しかし、直家は浦上家攻略を諦めず、次はこれまで敵対していた毛利と手を組み、ついに浦上宗景らを退けて、これまで以上に勢力の拡大に成功しました。

直家が自家の勢力拡大に力を入れたのは、いずれどこかの勢力に与することになった時、小さな勢力では軽く扱われると考えていたからです。最低でも50万石ほどの勢力となれば、その扱いも違ってくると考えていたのです。

そして毛利についた宇喜多家に、今度は織田軍が迫ります。その中心となるのは、信長と謁見した時に顔を合わせた羽柴秀吉でした。この戦いの中、直家の体に異変が起きていました。下腹部に痛みがあり、下血するようになったのです。これより、直家は最前線に出て指揮を執ることがなくなりました。それを毛利勢から咎められると、あえて病気であることを明かして、それすらも後の布石としました。

織田勢との戦いが続く中、再び黒田満隆が直家の前に現れました。彼は直家に、再び織田につくことを勧めます。信長の気性を知っている直家は、それを拒もうとします。しかし満隆は、信長のいなくなった後に天下をとるのは秀吉だと確信していました。それを知った直家は、表面上は織田勢として秀吉についたのでした。そして、やがて直家にも死が訪れます。

上巻でも阿部善定との深いつながりが描かれましたが、下巻ではそんな父のように思い尊敬してきた善定が年老いて亡くなります。その死の間際、善定の元を訪れた直家とのやり取りには泣かされました。武士となるため、善定とは異なる道を歩むことになった直家ですが、別れの時に善定と交わした約束通り、城と一体化した商業都市を作り上げました。

日本史に疎いので、宇喜多直家のことはこの作品を読むまで知りませんでした。世間では悪人として知られていたそうですが、この作品での直家は武門に生まれたことを苦悩しながらも、多くの人たちに支えられて、その期待に応えようと奮闘しました。その姿に親近感を持ちました。

最終更新日 : 2022-06-07

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