
この本ではソフトウェア開発者=コーダーについて、その始まりから関わった多くの人たちを取り上げながら紹介していきます。今でこそ、ソフトウェア開発者は男性が多数ですが、初期には男性はコンピュータそのものを作り上げる方に力を向けていて、プログラミングは女性の仕事と考えられていました。
その状況が変化したのは、限られた場所でしか使えなかったコンピュータが、家庭に普及して趣味でプログラミングを始める者たちが増えたことです。それにより、プログラミングにはまったのは内気なオタクの男の子たちでした。そして社会人となった彼らが、社会的な成功をおさめるとより多くの者たちがプログラミングに関心を持つようになります。
しかし現状もそうですが、第一線で活躍するのは白人男性が多いという、偏った傾向も生まれていました。それは会社を立ち上げた者たちが、自分と同じような人を雇用したこと。そして女性や白人以外の人種が採用されにくいことも、状況に拍車をかけました。
そんな状況を打破するために、大学以外の場所でコーダーを育てる動きが生まれました。また大学も、より多くの学生を教育しようとしていますが、優れたコーダーが慢性的に不足しているため、教師が企業に高給で引き抜かれてしまい、状況はなかなか改善しません。
私自身、学生の頃からコンピュータに興味があり、気がついたらそれが仕事になってしまっていたた人なので^^;、この本を読んでいて共感できるところも多かったです。その一方で、新たにコーダーを目指す人たちは、安定した収入を得る手段としてその道を選んだと知って、時代の大きな変化を感じました。
最終更新日 : 2022-10-30