今世紀のイタリアの作家の作品を集めた、短編集です。イタリア文学には馴染みはありませんが、「どこか、安心できる場所で」というタイトルに惹かれて手に取りました。
この本には・・・
・「雨の季節」 パオロ・コニェッティ
・「働く男」 ジョルジュ・フォンターナ
・「エリザベス」 ダリオ・ヴォルトリーニ
・「ママの親戚」「虹彩と真珠母」 ミケーレ・マーリ
・「わたしは誰?」 イジャーバ・シェーゴ
・「恋するトリエステ」 ヘレナ・ヤネチェク
・「捨て子」 ヴァレリア・パッレッラ
・「違いの行列」「王は死んだ」 アスカニオ・チェレスティーニ
・「隠された光」 リザ・キンズブルグ
・「あなたとわたし、一緒の三時間」 キアラ・ヴァレリオ
・「愛と鏡の物語」 アントニオ・モレスコ
・「回復」 ヴィオラ・グラード
・「どこか、安心できる場所で」 フランチェスカ・マンフレーディ
・・・の13人の作家による作品が収録されています。この中で一番気に入ったのは、パオロ・コニェッティの「雨の季節」でした。これらの作品の中では移民やアイデンティティー、格差、薬物依存など、現代の社会が抱えるさまざまな問題が織り込まれています。
イタリアの現代作家の異なる作品に触れられる機会は多くありませんので、さまざまな立場や視点からの物語を読むことができたことは、とても収穫がありました。
最終更新日 : 2022-10-30