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2021-11-20 (Sat) 22:08

古書の来歴/ジェラルディン・ブルックス


ジェラルディン・ブルックスさんの「古書の来歴」を読み終えました。

この本は、サラエボで発見されたユダヤ教の写本サラエボ・ハガダーを巡る物語です。物語は、オーストラリア人で古書の保全修復の専門家ハンナ・ヒースが、サラエボ・ハガダーの修復に関わることになったところから始まります。

本を修復する過程で、彼女は本に残されていたいくつかの手がかりを見つけます。それぞれの手がかりが、なぜ本に残されたのか、歴史を飛び越えて様々な登場人物の物語が語られていきます。ハンナの物語と、過去の歴史が交互に描かれて、最後にはどうしてこの美しい本が作られたのかが明らかになります。

500ページを越える本でしたが、内容の面白さに引き込まれて、あっという間に読み終えました。1冊の貴重な本にまつわる物語には、知的好奇心を刺激されました。そして宗教や人種の違いなどにより、人が過去から数多くの差別や殺戮、破壊を繰り返してきたことが心に残りました。

その中でも、一番心に残ったのは、サラエボに住むユダヤ人ローラの物語でした。ナチスの侵攻により、彼女は家族や住まいを失い、パルチザンの一員となります。しかし、そのパルチザンからさえ彼女は不当な扱いを受けることになりました。

他の時代の物語は、その時の登場人物とハガダーとの関わりが明かされるだけですが、ローラの物語にはその後が描かれていたことも、強く心に残る理由です。

全体的に満足度の高い内容でしたが、メインとなるハンナの物語が、最後にスパイ小説のような展開になっていたのが、少し残念でした。

最終更新日 : 2021-11-20

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