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2021-02-12 (Fri) 18:17

ラ・カテドラルでの対話(上)/バルガス=リョサ


バルガス=リョサさんの「ラ・カテドラルでの対話(上)」を読み終えました。

この作品は1950年頃の腐敗しきったペルーの様子を、さまざまな角度から描きだしていきます。基本となるのは、新聞記者のサンティアーゴと、かって彼の家の使用人だったアンブローシオとの再会です。そこで4時間にわたって繰り広げられた会話が、その先のエピソードに入り込んだりします。

ややこしいのは、物語の第1部ではある出来事が語られながらも、その合間にそれより未来や過去のやり取りが挿入されてくることです。最初はこの展開に戸惑いましたが、そうして得たピースが集まって、やがて全体の様子が見えてくる面白さがありました。

上巻ではサンティアーゴとアンブローシオ、そして独裁政権で権力を振るうベルムーデス(ドン・カヨ)、サンティアーゴのところで侍女として働いていたアマーリアなどの視点から、多角的に物語が描かれます。

サンティアーゴは裕福な家の生まれですが、さまざまなことに疑問を感じ大学では反政府的な運動に関わることになります。アンブローシオはサンティアーゴのところで働く前は、ドン・カヨの運転手をしていて後ろ暗い仕事もしてきたようです。アマーリアはアンブローシオと関係を持ったことがありますが、今では彼を嫌っています。しかし再び彼が彼女の生活に関わるようになると、再びアマーリアは彼に惹かれてしまいます。

物語全体に、重く退廃的な雰囲気が漂っています。やりきれない気持ちになることもありましたが、登場人物のその後や過去が気になって、読むのを止めることができませんでした。
バルガス=リョサさんの他の作品もそうですが、決して読みやすいとはいえない構成なのに、読者を物語に引き込む力は凄いと思いました。

最終更新日 : 2021-02-12

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