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2020-05-03 (Sun) 20:59

引き潮のとき(1)/眉村 卓


眉村卓さんの司政官シリーズ、「引き潮のとき」第1巻を読み終えました。

司政官シリーズの中で、なぜかこの作品だけは絶版となったままです。こうして感想を書けるのは、数年前に運良く古本屋で全5巻を入手することができたからです。しかし、ハードカバー2段組5冊というボリュームに圧倒されたのと、これを読み終えたら司政官シリーズの新作はもないと思うと、なかなか読み始められませんでした。

今回、読み始めることにしたのは、新型コロナウィルス感染症で外出自粛中ということもありますが、著者の眉村卓さんが昨年亡くなられたことも大きなきっかけになりました。

というわけで、本当に久しぶりの司政官シリーズです。物語の主な舞台となるのは、タトラデンという惑星です。主人公のキタ・PPK4・カノ=ビアは、待命司政官として身分は保障されているものの、担当惑星を与えられず倦怠した日々を送っていました。

この時代では、司政制度の矛盾が表面化してきていました。独自に運営される植民惑星も増え、司政官という存在が必要されなくなってきていたのです。そんな中でキタがタトラデンの司政官に任命されたのは、彼がタトラデンの出身者だったからです。

これまでの例では、司政官が出身惑星を担当することはありませんでした。なぜキタが選ばれたのか。それはタトラデンを中心に、周囲の植民星系が連立を強化して、それが将来的に連邦の脅威となる恐れがあったからです。そのため、他の者よりもタトラデンを知るキタが選ばれたのです。

異例なのは、人材選択だけではありませんでした。これまでの司政官とは異なり、キタに与えられた任務は植民惑星の発展ではなく、内部抗争を起こしてタトラデンの力を削ぐことだったのです!

しかし司政官を支えるSQ1は、キタの隠された任務については知りません。大きな問題なくタトラデンを運営してきたSQ1は、かっての司政官が大きな力を振るった時代を基準に判断を下します。時機を見てSQ1に本来の目的を承認させるまでは、司政官の最大のパートナーであるSQ1さえもキタの完全な協力者ではありません。

そんな困難な任務を抱えて、キタはタトラデンへと赴任しました。タトラデンは他の多くの植民惑星と同じく、初期に入植したグループが名家として大きな力を持っていました。両親を亡くし養育院で育ったキタは、優秀な成績と運動能力で名家からも期待されていました。

しかしキタは、名家が持つ独自の常識が受け入れられませんでした。それに反発した彼は、タトラデンでの出世の道を絶たれて、故郷を去り連邦官僚として司政官を目指したのです。

第1巻では、そんなキタの過去や司政制度の現状、タトラデンの状況などが丹念に描かれました。
今のところキタは、目的を達成するための方法を探っています。タトラデンの現住種族プバオヌの状況、彼が育った養育院の院長が代わったことによる変貌、そして彼がタトラデンを去る原因ともなったジャクト家での舞踏会への参加。

キタがいない間に、タトラデンも代わっていました。そしてキタも、厳しい訓練と経験を積んで、かってのキタではありません。そんな彼が任務を達成できるのか、続きが楽しみです。

最終更新日 : 2020-05-03

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