何にも束縛されない自由な暮らしを求めて、著者は都心から原付で半日くらいのところに安い土地を買い、そこに小さな小屋を建てて住み始めます。
なぜそういう暮らしを選んだのか。全くの素人が、自分の力だけで小屋を作った方法。水や電気の確保。毎日の生活にかかる費用。保険や年金、税金、法律のこと。それらが具体的に、解説されています。
本に書かれた内容は10年近く前のことなので、今では変わっている部分もあると思います。それでも素人でも、自分で調べて工夫すれば、著者のように生活をすることは不可能ではないと知りました。
もちろん著者のような生活は、誰にでも勧められるものではありません。しかし自由な自分の時間を満喫できる生き方もあると知ることは、今の世の中に生きづらさを感じている方にとって、大いに力づけられる内容だと思いました。
今の日本では最低限の生活をしても、過去から見たら十分に贅沢な暮らしができる環境だということ。そして生きるために必要な、本当に最小限の収入はどれくらいなのか。それを具体的な数字として知ることができたのは、とても有意義でした。
便利で快適な暮らしを維持するために、多くのストレスを抱えて、常に疲れ果てるほど働く必要が本当にあるのか。その便利さは本当に必要なのか。深く考えさせられる1冊でした。
最終更新日 : 2022-10-30