著者のスティーブ・ジョブズの伝記が面白かったので、コンピュータとインターネットの歴史を書いた「イノベーターズI」も読んでみました。
最初に登場するのは、バベッジの解析機関と世界初のプログラマー・エイダです。そしてプログラム可能な計算機という、重要な概念が生まれました。しかしこの時代にはまだ、コンピュータを実現するための周辺技術が整っていませんでした。
パンチカードを利用した集計機械の時代を経て、次に大きな動きがあるのは100年後でした。
チューリングやシャノンの理論、そして真空管を使った電子計算機がようやく現実の物となります。この時に生まれたコンピュータは、弾道計算や暗号解読など軍事目的で利用されるものでした。
やがて真空管に変わり、トランジスターが生み出されます。トランジスターは、やがてマイクロチップへと発展していきます。この時代には、それらの有用性に気づいた人たちは、技術の特許を獲得競争を繰り広げることになりました。しかし、軍事用機器に大量に使用されたことが、結果としてそれらの部品の価格を引き下げることになりました。
それは、ゲームやコミュニケーションの道具としてのコンピュータという、新たな利用へとつながっていきます。MITの学生たちが作り出した、伝説的なゲーム・スペースウォー。それとは全く異なるアプローチで作られた、アタリのアーケードゲーム。そして、軍からの多額の出資を得て実現した、インターネット。
この中で語られていることの多くは、すでに別の書籍で知っていましたが、それでも読んでいてワクワクしました。そこには多くの人が登場しますが、彼らが協力し合ったり、反発したり、外向的な人もいれば、内向的な人も、情熱的な人もいます。そうした様々な人たちから、今のコンピュータやネットが生まれたのだと思うと、感慨深い気持ちになりました。
最終更新日 : 2022-10-30