日々の記録

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ジャック・ドゥルワールさんの「いやいやながらルパンを生み出した作家 モーリス・ルブラン伝」を読み終えました。

アルセーヌ・ルパンの生みの親として知られるモーリス・ルブランですが、その生涯は意外なくらいに知られていません。
詳細な調査に基づいて書き上げられたのが、この伝記です。

内容はその生い立ちから始まり、文学作家としてのデビュー、ルパンを書くことになった経緯、ルパンの大ヒット、文芸家協会での活躍、出版社や映画会社との契約を巡る問題、そしてその最期までです。

伝記には、ルブランの妹ジョルジェットについても数多く言及されています。ジョルジェットは、女優として活躍していて、「青い鳥」で有名なメーテルリンク(作中ではフランス語発音でメーテルランクと表記)と関係をもっていました。

そしてルブランは、同じ芸術家気質を持つ妹を、常に気遣っていました。最終的にジョルジェットは、女優時代に稼いだ財産も失い、貧困の中で亡くなります。そして、そんな妹を追いかけるように、その1ヶ月ほど後にルブランも亡くなりました。兄妹の深い絆を感じさせるエピソードですね。

この本を読み始めた最初は、ルブランの過ごした場所や出会った人々の詳細な描写が少し細かすぎるように感じましたが、途中から内容に引き込まれて、それは気にならなくなりました。

この本を読んだのをきっかけに、久しぶりにルパン・シリーズを読み返そうと思ったのですが、ポプラ社や偕成社から発売されている本の他は、シリーズ通しての翻訳本がないことを知って驚きました。シャーロック・ホームズは、各社から複数の翻訳が全集として発売されているのに、大人向けに翻訳されたルパン全集がないのは残念です。

また翻訳権の問題で、「813」と「続813」は新潮文庫から発売されている堀口大學の訳しか大人向け翻訳がないのも残念です。翻訳を独占するなら、ルパン・シリーズすべての作品をそろえて欲しいと思いますし、それができないのなら、潔く他社での翻訳を認める度量が欲しいですね。

ホームズと同じように、ルパン・シリーズも新しい訳者による、新しい翻訳で全シリーズを読みたいものですね。

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