この本には、「二十四時間の侵入者」と「闇からきた少女」の2作のジュブナイル小説が収録されています。どちらも中学生が主人公のお話です。
「二十四時間の侵入者」は、絵画部の写生会に参加した住野隆一と小沢未代子が怪しげな少年を目撃します。それを境に、2人だけでなく日本全体が混乱に陥る事件が発生します。怪しげな少年はどこからやって来たのか、そして彼らの目的は何なのかが次第に明らかになります。
「闇からきた少女」は、王子町団地に住む長原克雄が不思議な少女と出会うところから物語が始まります。大森由美子と名乗ったその少女は、彼と同じ中学生らしいのですが、なぜか学校で彼女を探しても見当たりません。それどころか、団地に出没するという妖怪が彼女らしいのです。果たして彼女は何者なのでしょうか。
2作とも子供向けということもあり、お話はシンプルですが他の眉村さんのジュブナイル小説と同じく、読み始めたら引き込まれるものがありました。他の眉村さんのジュブナイル小説でもそうですが、主人公となる少年少女が品行方正で真面目なところが好感が持てます。
最終更新日 : 2022-10-30