この作品は、若き日のブコウスキー自身をモデルにしています。各地を転々としながら、アメリカ国内を放浪するように生活しているチナスキーという男が主人公です。
チナスキーはお酒とタバコ、女性関係にまみれた生活を送っています。中退ながら大学でジャーナリズムを学んだチナスキーは、小説を書いては出版社に送りますが、なかなか彼の作品は認められません。物書きとして生活できない彼は、不本意な仕事をして生活しています。
しかし、どの仕事も長続きせず、職場で問題を起こしては仕事を転々としていきます。物語は基本的に、この繰り返しです。
チナスキーはある意味どうしようもない人なのですが、どこか憎めないところがあります。同じような境遇の者たち、そしてさまざまな女とのやり取り。そんな中で、全てを諦めきったかのようなチナスキーの言葉が、不思議と心に残ります。
この本を読んでいて思ったのは、どん底状態でも意外と仕事はみつかるものなんだなということ。そして、いい加減に仕事をしていても、意外となんとかなるものなんだなということです。(^^;
人生意外となんとかなるもんだ。それが、この本から得た一番大きなことかもしれません。
最終更新日 : 2022-10-30