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2019-04-29 (Mon) 18:20

航空宇宙軍史・完全版(2) 火星鉄道十九・巡洋艦サラマンダー/谷 甲州

谷甲州さんの「航空宇宙軍史・完全版(2) 火星鉄道十九/巡洋艦サラマンダー」を読み終えました。

1巻では外惑星同盟の視点から物語が描かれましたが、この巻では航空宇宙軍視点の作品が大きな割合を占めています。

「火星鉄道一九」は、複数の場所を舞台にした短編集です。派手な戦闘があるわけではなく、一見地味なテーマが取り上げられているのですが、どの作品にも引き込まれました。

表題作の「火星鉄道十九」から始まり、「ドン亀野郎ども」「水星遊撃隊」「小惑星急行」「タイタン航空隊」「土砂降り戦隊」「ソクラテスの孤独」の7作、それぞれに場所も登場人物も変えて物語が語られます。それらを読み進めるうちに、航空宇宙軍と外惑星同盟との戦いのバックグラウンドやテクノロジーが垣間見えてきます。

「巡洋艦サラマンダー」では、外惑星同盟が戦争前に完成させた唯一の巡洋艦サラマンダーの物語と、外惑星同盟の敗北による戦いの終わりが連作短編のように語られます。しかし、華々しい戦闘が描かれるのではなく、外惑星同盟の唯一の巡洋艦という立場、そしてその追走劇が物語のメインとなっているのは、著者らしいと思いました。

この2巻で航空宇宙軍と外惑星同盟の戦いは決着しますが、その伏線として第1巻で描かれたカリストの政治状況が関わってくる流れが、パズルのピースが次々うまってゆく感じで痛快でした。

最終更新日 : 2022-10-30

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