日々の記録

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ディーノ・ブッツァーティさんの「タタール人の砂漠」を読み終えました。

新任将校のジョバンニ・ドローゴは、最初の任地として命じられたバスティアーニ砦に赴きます。そこは国の北方にある、辺境の地でした。最初はすぐにも、そこから転任したいと考えたドローゴでしたが、やがて自分の意思で砦にとどまり、北から現れるはずの、タタール人の襲撃を待ち続けます。

基本的な物語はそれだけで、砦の生活には事件らしい事件も起きません。ようやく敵が来たかと思えば、それは新たな国境を策定するための部隊だったりと、戦闘は起きないままお話は進みます。そして若かったドローゴも、いつしか年を重ねて引退の時が迫ります。

そして、やっと敵が現れます。しかし、その時には年老いたドローゴは病に冒されていて戦いに加わることができません。彼は悔しい思いを抱えたまま、砦から離れることを余儀なくされます。

ほぼ何も起きない作品なのに、静かな緊張感が持続していて読み続けさせられました。
来るあてのない敵を待ちながら、単調な勤務を続けるドローゴの人生は、自分の人生と重なるように思えました。多くの人の人生には、華々しい出来事があることもなく、単調な毎日を積み重ねて、やがて終わりを迎えます。

もう1つはっとさせられたのは、年を重ねて昇進したドローゴが、休暇を終えて砦に帰ろうとした時、かっての自分と同じように彼に声をかける新任将校が現れたことです。歴史は繰り返されて、同じように循環する。それを見せつけられたような気がしました。

物語が突きつける、残酷な人生の真実。それはとても切ないですが、最期にドローゴがそれを受け入れたかのように、自分はそれとどう向き合うのか、読み終えた後も考えさせられました。

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