上巻では、2つの殺人事件と消えたエイダルフの行方という大きな問題に挑むことになったフィデルマでしたが、その全容ははっきりしないままでした。下巻では、それが次々と明らかになっていきます。その背後には、アイルランドの古の宗教にまつわること、この時代のアイルランドの勢力争い、兄妹の反目と元夫妻の反目など、さまざまな要素が入り組んでいました。
中盤以降の展開が、少し急すぎる気はしましたが、ラストの裁判官の前でのフィデルマの弁論は読み応えがあって面白かったです。修道女ブローナッハとベラッハの関係など、読んでいる途中で何となくそうかな!?と思っていた部分もありましたが、殺人事件の犯人が誰なのかは最後までわからなかったので、ドキドキしながら読みました。
最後の解説は、田中芳樹さんでした。その中で田中さんが、「ヒロインのフィデルマがあまり好きじゃない」と書かれているのに、ちょっと共感しつつも^^;、そう思ったのが私だけじゃなくてよかったと思いました。
今回はフィデルマ以上に高慢なドレイガン院長という人物がいたおかげで、いつもほどフィデルマの高慢さが目立たなかったのかも。(^^;
最終更新日 : 2022-10-30