
TVシリーズのコロンボは古き懐かしき作品ですが、この本で著者は現代を舞台にコロンボを活躍させています。コロンボが、携帯電話を持っていたのには驚きました。しかし、時代は現代になったものの、コロンボの捜査スタイルや語り口は昔と同じです。
タイトルにもあるように、この本にはコロンボの13の事件が収録されています。コロンボといえば、倒叙形式のミステリーの代表ですが、あえて著者は倒叙形式以外の方法でもコロンボを描いています。最初にそれを読んだ時は戸惑いましたが、形式が変わってもコロンボはやっぱりコロンボで安心しました。
どの作品も、登場人物の描写が上手いと思いました。コロンボと交わす言葉を通して、1人1人に存在感がありました。
収録された作品の中では、「黒衣のリハーサル」「暗殺者のレクイエム」「写真の告白」の3作が特に面白かったです。
その代わりに(?)、逮捕の決め手となる部分が弱い作品が多い気がしました。でも、コロンボと犯人とのやり取りが面白いので、個人的には謎解き的な部分はあまり気になりませんでしたが。
この本を読んだら、もう一度TV版の刑事コロンボを視聴してみたくなりました。(^^)
最終更新日 : 2022-10-30