
このところ同じ著者の「ボヘミアンガラス・ストリート」や「地球樹の女神」を再読してみたのですが、どうも今ひとつしっくりこなかったので、過去に一読だけした「真幻魔大戦」を読み返してみることにしました。
この「真幻魔大戦」は、角川文庫版「幻魔大戦」とは別次元の世界での出来事という設定です。角川版は1967年が舞台でしたが、こちらでは1979年が物語の舞台となり、物語の冒頭で登場するのはルナ姫ではなく、その妹であるリア姫になっています。
リア姫は故郷であるトランシルヴァニアから、アメリカへと向かうクェーサーの専用機にいました。彼女の姉であるルナ姫は、フロイと邂逅することもなく、アル中になって数年前に亡くなっていました。リア姫は、彼女の超常能力に興味を持ったクェーサーの帝王カトーに買われて、アメリカへと向かっていたのです。
順調な飛行が続く中、リア姫の体にルナ姫が憑依しました。そのルナ姫は、リアが知っているルナではありませんでした。彼女の知っているルナとは別のルナが、リアの体を借りて現れたのです。そしてリアは、別次元で起こったルナとフロイとの出会い。サイボーグ戦士ベガとの出会いを知ることになるのでした。
そしてリアは、この専用機を襲う危機を告げました。クェーサーにリアの世話役として派遣された謎の美女ムーンライトは、それを機長へと伝えます。そのおかげで専用機は惨劇を免れて、無事に目的地へと到着したのでした。
クェーサーの帝王カトーは、世界各地から優秀な超常能力者を集めていました。その中に、強力な催眠術を駆使するドクター・タイガーマンがいました。彼はその力を利用して、カトーに取り入ろうとしていました。しかし、彼にとって目障りな存在がムーンライトでした。ゲスな心の持ち主であるタイガーマンは、この事件を利用してムーンライトを失脚させようとしていたのでした。
リア姫の乗っていた専用機の機長は、突然の進路転換の理由をカトーに問いただされていました。しかしカトーに反感を持つ機長は、真実のすべてをカトーには伝えていませんでした。そこでカトーは、タイガーマンの力を利用して、その時に何が起きたのかを詳細に知ろうとしたのです。
すでにクェーサーを退職する決意を固めていた機長でしたが、タイガーマンの強力な催眠を受けて、自分の意思に反してカトーに知られたくないと考えたことまで話してしまいました。その一部始終を、霊体となって屋敷の中をさまよっていたリア姫が目撃しました。しかし、その場に同席したテレパシスト、ジョージ・ドナーによって、彼女がそこにいることが明らかにされてしまいました。それを知ったカトーは、のぞき見している者を何としても知ろうとするのでした。
過去に一読しただけなので、詳細は完全に忘れていました。(^^;
かって読んだ時は新書版でしたが、今回は文庫版を読みました。そのせいか、第1巻の内容としては、ここで終わり!?という少し不満の残るものでした。ルナ姫と比べると、リア姫は精神的に未熟で頼りない感じです。それを補うかのように登場したムーンライトは、神秘的な魅力が感じられますね。
最終更新日 : 2022-10-30
Re: 懐かしい名前ですね * by 横溝ルパン
こんばんは。こちらこそいつもお世話になります。
平井和正さんは、高橋佳子さんの主催された宗教団体にはまって、高橋さんの著書として発売された「真創世記」3部作を代筆したりされたようですね。(^^; 幻魔大戦から平井作品にはまったので、この「真創世記」も平井さんの代筆だという噂を聞いて読みました。(笑)
そこから遡って、過去に発表された作品も読みました。私も平井さんの作品では、ゾンビハンター・シリーズが一番完成度が高くて、きちんと完結した作品だと思います。初期のウルフガイもけっこう好きですが、「黄金の少女」の途中まで読んで挫折しました。(^^;
平井和正さんは、高橋佳子さんの主催された宗教団体にはまって、高橋さんの著書として発売された「真創世記」3部作を代筆したりされたようですね。(^^; 幻魔大戦から平井作品にはまったので、この「真創世記」も平井さんの代筆だという噂を聞いて読みました。(笑)
そこから遡って、過去に発表された作品も読みました。私も平井さんの作品では、ゾンビハンター・シリーズが一番完成度が高くて、きちんと完結した作品だと思います。初期のウルフガイもけっこう好きですが、「黄金の少女」の途中まで読んで挫折しました。(^^;
コメントでは、初めまして。
故・平井和正さん、懐かしいですね。
この方は人狼天使辺りから、ある宗教にハマったらしく
作風が変わっているようです。
それまでの、魂の叫び的な熱い作風がすっかり影を潜めた感じです。
ゾンビーハンターの最後もキレイに終わったのは逆に良かったかな?
なので晩年の作品は初期の頃の作風を思って読むと???と感じます。