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2017-02-13 (Mon) 22:39

昭和元禄落語心中 -助六再び篇- #6

生死の境をさまよう八雲。そして会場に残った与太郎は、自分の落語を見いだします!

噺の途中で具合が悪くなった八雲は、舞台に緞帳が下りると共に倒れてしまいました。かっては医学部に在籍していたこともある萬月が応急手当を行い、八雲は病院へと運ばれることになりました。そんな八雲に、与太郎は付き添いたいけれど、客席には大勢のお客さんが噺を聞こうと待っています。苦しい息の中、与太郎に何かを伝えようとする八雲の姿を見て、与太郎の心は決まりました。八雲の付き添いは小夏に任せて、自分はここに残って噺を続ける覚悟を決めたのです。
この時の与太郎と小夏の、言葉に出さずに思いを伝え合う、これ以上ない息の合い方が絶妙でした!

そして与太郎は、1人で噺を続けます。演目は、八雲に聞かせるつもりで練習に励んできた「居残り」です。八雲という与太郎にとってかけがえのない人の危機を前に、与太郎が動揺することなく噺ができるのか。不安が高まる中、出囃子と共に与太郎が舞台に上がります。そこで与太郎は、完璧に観客を魅了する素晴らしい噺を演じてみせました。それは八雲に言われた我を出した噺ぶりではなく、与太郎の姿が消えて落語の登場人物たちが浮かび上がってくるような新しい形の落語でした。

この場面、いろいろと見応えがありました。まずは与太郎を演じる関智一さんの、視聴者を引き込まずにはおかない噺っぷりの良さ。その噺に、観客は完全に魅了されています。与太郎の様子を見に来た樋口先生も、その語り口には引き込まれずにはいられませんでした。そして噺のクライマックスで、お話が突然に不穏な雰囲気に。・・・と思ったら、その緊張感から一気にオチへと畳み込まれる面白さ!

この感想を書いていて気づきましたが、本当ならば誰よりも八雲の側にいたい与太郎が、舞台に居残ることになって演じたのが「居残り」。すべてが絶妙に計算され尽くされているような面白さでした!!!(^^)

公演を終えた与太郎は、すぐに病院へと駆けつけます。八雲は心筋梗塞の発作を起こしたようです。既に病院での処置は終わり、後は経過を見守ることしかできません。小夏と共に病院にいた萬月は、役目を終えて松田さんに送られて帰って行きました。その車中で、松田さんは萬月さんの落語が好きだと話しました。今では落語の道から離れてしまった萬月ですが、再び落語の世界に帰ってくるのでしょうか!?

八雲の入院中、与太郎はますます忙しくなりました。本来の自分の仕事に加えて、八雲の仕事の穴埋めも与太郎は引き受けていたのでした。そんな大忙しの与太郎を捕まえた樋口先生は、先日の親子会での与太郎の噺ぶりを絶賛してくれました。
落語の人物を完全に演じて自己表現する八雲とも、何を演じても助六という個性が出る二代目・助六とも違い、与太郎の落語は噺家の姿が消えて登場人物が浮かび上がる新しい落語だと、樋口先生は興奮して語るのでした。

寄席に出演していた与太郎は、寄席の席亭から建物の建て替えを迫られていることを聞きました。時代は阪神淡路大震災後なのか、それ以後に厳しくなった耐震基準を今の寄席が満たしていないことが原因でした。寄席を建て替えるとなれば、大金が必要になります。そして、それ以上に建て替えをするということは、数々の名人を生み出し刻み込まれた歴史を失うことになってしまいます。

席亭も、お客さんの安全が第一だということは百も承知しています。その上でなお、消してしまうには惜しい数々の刻印が、この場所にはあるのです。短いエピソードですが、その中に脈々と受け継がれてきた落語の歴史、そして席亭の落語へのまっすぐな思いが描かれていて、とても心に残りました。

そして本編の最後の最後で、ようやく八雲が目を覚ましました。目覚める前、八雲は涙を流していました。生死の境をさまよいながら、八雲は何を見ていたのでしょうか。

というわけで、なんとか八雲は命を取り留めました。この作品、毎回クオリティが高いですが、今回は神がかっているような出来映えでした。(^^)
八雲の生死を、本編の最後まで明かさない構成の上手さ。ひとり舞台に残った与太郎の奮闘と、独自の境地の開眼。萬月や席亭などのサブキャラの活かし方の上手さ。1期はblu-rayを買ったので、2期はどうしようかと思っていましたが、今回のお話を見て購入を決意しました!・・・でも、2期はまだ1巻の発売日すら決まってないみたいですが。(^^;

最終更新日 : 2022-10-30

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