
この本ではまず、人工知能を人間に変わって意思決定を行うことができる合成頭脳と、労働を行うことができる労働機械とにわけて説明しています。その過程で明らかになるのは、そのどちらも人間のような姿をしている必要はなく、それぞれの仕事に最適化された形になるということです。・・・人型ロボット好きとしては、ちょっと残念かも。(^^;
合成頭脳であれば、答えが得られるのならば、その場所にある必要すらないこと。労働機械の場合は、目的とする作業に応じて、ドローンに作業用アームを取り付けたり、その作業を最も効率的に行う形が選択されることが、わかりやすく解説されていました。
その後も、さまざまなケースで、人工知能の進化が人間の生活にどのような変化をもたらすかが語られていくのですが、本の中盤以降ではその問題に対する著者の提言が鼻につくようになり、あまり面白くなくなりました。
著者の提言を否定するつもりはありませんが、こういった問題ではAIの専門家は問題点を指摘するにとどめて、さまざまな視点から広く問題点を検討することが必要なのではないかと思いました。
最終更新日 : 2017-02-05