日々の記録

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ふたりの距離の概算米澤穂信さんの「ふたりの距離の概算」を読み終えました。

神山高校では星ヶ谷杯と呼ばれるマラソン大会が毎年開催されます。古典部の2年生・折木奉太郎は、その20kmの距離を走る中で、1つの問題を解決しようとしていました。新歓の時期に仮入部してくれた1年生・大日向友子が、本入部を前に突然入部をやめると言い出したのです。その原因は、同じく2年生の部長・千反田えるとの間に何かがあったらしいのですが・・・。

読み始めた最初は、恩田陸さんの「夜のピクニック」を思い出しました。しかし、読み進んでゆくと、もっと推理色が強いお話だとわかってきました。その推理が北村薫さんの作品のように、日常の中のささやかな謎を解き明かすタイプで、ドロドロしたものではなかったので、かなり読みやすい作品でした。

物語は、折木が20kmを走りながら、その途中でこれまでの状況を思い出しつつ、さまざまな小さな謎解きが紹介されます。大きな流れとしては大日向の退部の原因を探るがあるのですが、そのサイドストーリー的な形で、弱小な製菓部が新歓の時に大きなテーブルを使っている理由は!?とか、新しくオープンすることになった喫茶店の名前は何か!?、などが挿入されていて、長編ではあるけれど短編集的な楽しみ方もできるというお得な作品でした。

物語も楽しいですが、主な登場人物である古典部の面々がなかなか個性的なのも楽しかったです。その中でも一番のお気に入りは、折木と同級生の伊原摩耶花でした。ちょっととげとげしい物言いが、なんとなくツンデレキャラを思わせるんですよね。私の脳内では、摩耶花の声は戸松遥さんあたりの声で再生されていました。(^^;
あと、部長の千反田えるの声は、花澤香菜さんあたりかな~と。・・・本当にこういうキャストでアニメ化してくれないですかねえ。(笑)

米澤さんの作品を読むのは初めてだったのですが、この作品は古典部をメインとしたシリーズの1作だったようです。そのせいか、それぞれのキャラは立っているのに、ちょっとキャラの説明が不足しているように感じたのは、そのせいなのかもしれません。
女郎蜘蛛が死に際に残した言葉、それは西王母桃たちの心を波立たせます。

女郎蜘蛛事件は解決したものの、彼女が最後に残した言葉は西王母桃たちの中でわだかまっていました。そんな時、事件の報告に花楯中尉の元を訪れた総角は、中尉から西王母桃へとビスケットをもらってきたのでした。西洋のお菓子だからと、最初は毛嫌いする西王母桃でしたが、一口食べたらおいしかったみたいです。(^^; 相変わらず西王母桃は、そのツンデレぶりが可愛いですね。

そしてその隣では、薄蛍と利劔がいいムードです。自分のビスケットを薄蛍に差し出して、さらりと薄蛍がビスケットを食べている姿を見ていたいと言えてしまう利劔が格好良すぎですね!

一方、丸竜は先の事件で雪洞と鬼灯が自分の身を犠牲にしようとしたことで、自分を責めていました。そんな丸竜に雪洞と鬼灯は、自分たちの昔話を聞かせるのでした。半妖として生まれてしまった2人は、母親に洞窟に匿われて育てられていたようです。しかし2人は、時折現れるその女性が母親だったとは気づいていなかったようです。

ところが、母親は半妖を匿っていたことがばれて殺されてしまいました。それを知った亭主は、雪洞と鬼灯を殺そうと襲ってきました。それを救ってくれたのは櫛松でした。こうして雪洞と鬼灯は、西王母桃たちのところへとやって来たのでした。

この時の経験は、雪洞と鬼灯に大きな決意をさせました。大切な人を守るためには、そのいいなりになっているだけでなく、戦うことも必要だということを。そうしなければ、大切な人を失うこともあるということを。
そんな2人の話を聞いて涙を流す丸竜の純粋さがよかったです。出会って間もない丸竜と雪洞&鬼灯ですが、3人の間には既に深い絆が生まれているようですね。

表面上は明るく振る舞っているものの、先日の事件は西王母桃の心の中でくすぶっていました。自分1人で全てを抱え込んでしまう西王母桃に、総角はちゃんと気がついていたのでした。思い悩んだ西王母桃は、櫛松に母親の秘密を教えて欲しいと訴えます。しかし、櫛松は今はそれは話せないと、秘密を教えてくれませんでした。
西王母桃の母親は、櫛松を従えていたようですが、本当に人間だったのでしょうか!?

ということで、今回は大きな事件は起こりませんでしたが、西王母桃たちの微妙な心の動きに切り込んだ、とってもいいお話でした。これからも西王母桃と総角の関係が深まってゆくのを、にやにやしながら見守りたいと思います。(^^;