日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆


マリオ・バルガス=リョサさんの「世界終末戦争」を読み終えました。ハードカバーで2段組・700ページほどの本なので、読み終えるまでに2ヶ月くらいかかりました。(^^;

この作品は、19世紀末に実際にブラジルで起きたカヌードスの反乱を題材としています。ブラジルの奥地に、キリストの再来とも言われる聖人コンセリェイロが現れます。セルタンゥ各地を遍歴したコンセリェイロの周りには、やがて多くの信者が集まります。その多くは社会の最底辺として暮らしてきた人々でした。その中にはなんと、盗賊や殺し屋などもいます。

カヌードスを占拠した彼らを排除するために、国は軍を派遣します。しかし最初の軍はあっけなく敗れ、共和国政府は精鋭部隊を率いたモレイラ・セザル大佐を送り込みます。ところが、その精鋭さえもカヌードスに集結した人々は撃退してしまいます。カヌードスの過酷な環境を反乱軍は巧みに利用して、ゲリラ戦を展開したのです。

政府は威信を守るために、さらに大規模な部隊をカヌードスに送り込みました。その数と物量の前に、ついにカヌードスに集まった人々は壊滅することになります。

大筋はこのようにシンプルですが、多数の登場人物とさまざまな時間軸から物語が描かれています。それに少し戸惑いましたが、それぞれの登場人物を通して語られた出来事が積み重なって、事件の全貌が見えてくるのが面白かったです。

途中で挫折しなかったのは、多くの人物が語り手となり、それぞれの抱えた思い・生き方が詳細に描かれていて、その1人1人に存在感があったからだと思います。

また、この本を読みながら、様々なことを考えさせられました。宗教とは何なのか、救いとは何なのか。争い戦う人間の醜さと残虐さ。世界の複雑さと奥深さを。
話題の中国SF「三体」を読み終えました!

物語は、文化大革命の中国から始まります。その時代は、知識人にとっては生きづらいものでした。女性科学者・葉文潔は、父を革命集会で殺害され、自身もまた不本意な生き方を強いられていました。そんな彼女は紆余曲折の末、極秘に実行されているとあるプロジェクトに関わりました。

一方、現代ではナノテク素材の研究者・汪淼が、不可解な事件に巻き込まれていました。自分の身に起きた謎を追ううちに、汪淼は「三体」の驚くべき真実を知ることになります。

本当は物語の内容をもう少し詳しく語りたいのですが、何を書いてもネタバレになりそうで^^;、ほとんど内容に触れられないのが残念です。ぜひ実際にこの本を読んで、その面白さを自身で体験して欲しいです!

中国SFということで、登場人物の読み方などに最初は戸惑いましたが、途中からそんなことが気にならなくなるほど面白くなりました。夢中になってSF小説を読んでいた頃の、ワクワクした気持ちが蘇ってきた感じです。
物語はひとまず決着しますが、これで終わりではなく三部作として発売されたものの最初の1冊が翻訳されたのだそうです。続く2巻、3巻でどんな展開が待っているのか、今から楽しみです!(^^)
体調はいまだに不調ですが、なんとか本を1冊読み終えました。(^^;

この本は、前に読んだ「タタール人の砂漠」の著者・ブッツァーティの短編集です。表題作2作を含めて、全部で15作の作品が収録されています。多少の長短はありますが、どれも隙間時間にちょこっと読むのにいい感じの長さでした。

どの作品もブッツァーティらしい雰囲気で、語り口はメルヘンのようですが、読み進めていくと不安や破滅、人生の理不尽を感じさせられる内容でした。15作の中では、「七人の使者」「神を見た犬」「七階」「マント」「水滴」「なにかが起こった」「山崩れ」「急行列車」「聖者たち」あたりが気に入りました。

その中では、自分が体調が悪いこともあって、とある病院に入院した男を描いた「七階」が現実にありそうで^^;ちょっと怖かったです。
夢枕獏さんのキマイラ・シリーズ第14巻、「キマイラ 14 望郷変」を読み終えました。

前巻まではパワーダウンが激しかったですが、この巻は少し持ち直した感じです。
ルシフェル教団に捕らわれた深雪を救うために、大鳳はアジトに潜入しました。

深雪の無事は確認できましたが、途中で菊地と出会ってしまいました。久々にこの2人の対決かと思いきや、今回の大鳳はあくまでも偵察が目的だったので、あっさりと逃げてしまったのが残念でした。

その代わりに、龍王院弘と宿敵フリードリッヒ・ボックの対決は読み応えがありました。いろいろと伏線を回収しないといけないのでしょうが、その後のツォギェルの話よりも、この2人の対決をもっと読みたかったなあ。(^^;
アリ・スミスさんの「両方になる」を読み終えました。

この本は、かなり実験的な作品でした。物語は2つのパートになっていて、1つはルネサンス時代のイタリア人画家の、もう1つは現代のイギリスに住む女の子の物語です。いっけん何の関係もなさそうな2つが、複雑に入り組んだ形で物語が展開するのが面白かったです。

作中にはいろいろな仕掛けがあって、それも楽しかったです。ネタバレすると、これから読む方の楽しみを奪いますので、詳しく感想を書けないのが残念です。(^^;

作品全体の内容は軽くないと思いますが、語り口が軽くて言葉遊びもあって、そういった部分も楽しくさらりと読めました。しかし翻訳の限界もあるようなので、できれば原書で読んで楽しめるのが一番いいのかもしれません。

私自身は、この作品をとても気に入りました。しかし、この作品は好き嫌いがはっきりと分かれる作品だと思います。
最初に題名の「両方になる」を見た時、不思議なタイトルの本だなあと思いましたが、読者の好みが極端に分かれるという意味でも"両方になる"本だと思いました。
垣根涼介さんの「ゆりかごで眠れ」を読み終えました。

物語の主人公は、コロンビアに移民した日系人のリキです。彼はコロンビアの有力な麻薬密輸組織のボスでした。そんな彼が、日本にやって来ました。その目的は、仲間の殺し屋が警察に拘留されたのを救い出すためでした。

なぜ日本人のリキが、コロンビア・マフィアのボスになったのか。物語は彼の過去と現在を交互に描いていきます。それと並行して語られるのが、日本警察の組織犯罪対策課の刑事・武田とその元恋人の若槻妙子の物語です。2人の関係はすでに終わっていて、妙子は警察を退職することになっています。

仲間の救出という荒事に、なぜかリキは幼い女の子を連れてきていました。カーサと呼ばれるその子は、リキの娘ではありません。浮浪児だった彼女を、リキが拾って保護したのです。リキが今回カーサを連れてきたのは、彼女の将来をコロンビアで知り合った日本人・北崎という男に託すためでした。

こういった人物配置の中、物語は動いていきます。マフィア同士の激しい対立と報復、その中にあって決して仲間を見捨てないことで一目置かれているリキの存在。それが面白くて、あっという間に読み終えました。

物語は3部構成ですが、第1部が一番面白かったです。惜しいのは、コカイン中毒の悪徳刑事・武田の存在が、リキに対抗する存在として弱すぎたことです。とはいえ、それを差し引いても全体としては読み応えのある作品でした。
チャールズ・ブコウスキーさんの「勝手に生きろ!」を読み終えました。著者の本は、5年ほど前に読んだ「死をポケットに入れて」に続いて2冊目になります。

この作品は、若き日のブコウスキー自身をモデルにしています。各地を転々としながら、アメリカ国内を放浪するように生活しているチナスキーという男が主人公です。

チナスキーはお酒とタバコ、女性関係にまみれた生活を送っています。中退ながら大学でジャーナリズムを学んだチナスキーは、小説を書いては出版社に送りますが、なかなか彼の作品は認められません。物書きとして生活できない彼は、不本意な仕事をして生活しています。

しかし、どの仕事も長続きせず、職場で問題を起こしては仕事を転々としていきます。物語は基本的に、この繰り返しです。

チナスキーはある意味どうしようもない人なのですが、どこか憎めないところがあります。同じような境遇の者たち、そしてさまざまな女とのやり取り。そんな中で、全てを諦めきったかのようなチナスキーの言葉が、不思議と心に残ります。

この本を読んでいて思ったのは、どん底状態でも意外と仕事はみつかるものなんだなということ。そして、いい加減に仕事をしていても、意外となんとかなるものなんだなということです。(^^;
人生意外となんとかなるもんだ。それが、この本から得た一番大きなことかもしれません。
藤井太洋さんの「ハロー・ワールド」を読み終えました。

なんでも屋エンジニアの文椎が主人公の、連作短編集でした。物語の舞台が数年先の未来ということもあり、現在ある技術が、そこでどんな形でさらに発展しているかが興味深かったです。

ドローンに、mastdon、bitcoinといった技術が、少し先の未来ではこんな風に使われているんだろうなあという説得力がありました。

ただ近未来予測小説としてはとても面白いのですが、登場人物が全体的に少し機械的な気がしました。そのせいか、読み終えた後にアイディアの面白さは心に残りましたが、心に残る登場人物は思い浮かびませんでした。
谷甲州さんの「航空宇宙軍史・完全版(2) 火星鉄道十九/巡洋艦サラマンダー」を読み終えました。

1巻では外惑星同盟の視点から物語が描かれましたが、この巻では航空宇宙軍視点の作品が大きな割合を占めています。

「火星鉄道一九」は、複数の場所を舞台にした短編集です。派手な戦闘があるわけではなく、一見地味なテーマが取り上げられているのですが、どの作品にも引き込まれました。

表題作の「火星鉄道十九」から始まり、「ドン亀野郎ども」「水星遊撃隊」「小惑星急行」「タイタン航空隊」「土砂降り戦隊」「ソクラテスの孤独」の7作、それぞれに場所も登場人物も変えて物語が語られます。それらを読み進めるうちに、航空宇宙軍と外惑星同盟との戦いのバックグラウンドやテクノロジーが垣間見えてきます。

「巡洋艦サラマンダー」では、外惑星同盟が戦争前に完成させた唯一の巡洋艦サラマンダーの物語と、外惑星同盟の敗北による戦いの終わりが連作短編のように語られます。しかし、華々しい戦闘が描かれるのではなく、外惑星同盟の唯一の巡洋艦という立場、そしてその追走劇が物語のメインとなっているのは、著者らしいと思いました。

この2巻で航空宇宙軍と外惑星同盟の戦いは決着しますが、その伏線として第1巻で描かれたカリストの政治状況が関わってくる流れが、パズルのピースが次々うまってゆく感じで痛快でした。
エマヌエル・ベルクマンさんの「トリック」を読み終わりました。

物語は2つの視点から語られます。1つはプラハに暮らす、貧しいユダヤ人の少年モシェ。もう1つは現代のロサンゼルスに暮らす、両親が離婚することになったマックスという少年。

はじめ2つの物語は関連がなさそうに見えますが、途中からそれが1つの物語として重なり始めます。

やがて物語は、一方の展開がもう一方の疑問の答えとなる形になっていきます。その時には。もう完全に物語の虜になっていて目が離せなくなり、最後まで一気に読み終えました。

詳しく内容を紹介すると、これから読む方の楽しみを奪ってしまいそうで書けませんが、メルヘンのような雰囲気もありながら、その中には重い歴史もあったり、人生の辛さもあったりしますが、最後まで読み終えた時の感動が素晴らしい作品でした。

ちょうど長い連休に入りましたし、何かいい本ないかなと思っている方がいたら、ぜひお勧めしたい1冊です!(^^)
勝間和代さんの本は、これまであまり好みではありませんでした。でも最近、勝間さんのブログを読んだら、さまざまなデバイスを駆使して仕事をされていることに驚きました。その流れで、Kindle本として出ていたこの本を読みました。

自分をコントロールするためのコントロール思考の大切さから始まり、仕事・お金・健康・人間関係・家事・娯楽で著者がそれをどう実践しているかが紹介されています。その全てを真似できるわけではありませんし、真似する必要もないと思いますが、そのいくつかは自分も実践してみたいと思いました。

この本を読んでいて印象的だったのは、著者が生活の中に積極的に便利な製品を取り入れていることでした。
仕事で原稿を執筆する時には、複数の端末を利用してキーボードから入力するだけでなく、音声入力も活用していること。
家事ではホットクックを使って、材料を切って入れておくだけで料理が出来上がる仕組み作り。掃除もルンバを使って、機械に出来ることは機械にやらせてしまう。

そうして生活の中に余裕を作り出しているのが、いいなあと思いました。世の中全体が、なんとなく効率を追い求めて余裕がなくなっているように思えますので、こうして積極的に余裕を作り出すことが必要だと感じました。
ディーノ・ブッツァーティさんの「タタール人の砂漠」を読み終えました。

新任将校のジョバンニ・ドローゴは、最初の任地として命じられたバスティアーニ砦に赴きます。そこは国の北方にある、辺境の地でした。最初はすぐにも、そこから転任したいと考えたドローゴでしたが、やがて自分の意思で砦にとどまり、北から現れるはずの、タタール人の襲撃を待ち続けます。

基本的な物語はそれだけで、砦の生活には事件らしい事件も起きません。ようやく敵が来たかと思えば、それは新たな国境を策定するための部隊だったりと、戦闘は起きないままお話は進みます。そして若かったドローゴも、いつしか年を重ねて引退の時が迫ります。

そして、やっと敵が現れます。しかし、その時には年老いたドローゴは病に冒されていて戦いに加わることができません。彼は悔しい思いを抱えたまま、砦から離れることを余儀なくされます。

ほぼ何も起きない作品なのに、静かな緊張感が持続していて読み続けさせられました。
来るあてのない敵を待ちながら、単調な勤務を続けるドローゴの人生は、自分の人生と重なるように思えました。多くの人の人生には、華々しい出来事があることもなく、単調な毎日を積み重ねて、やがて終わりを迎えます。

もう1つはっとさせられたのは、年を重ねて昇進したドローゴが、休暇を終えて砦に帰ろうとした時、かっての自分と同じように彼に声をかける新任将校が現れたことです。歴史は繰り返されて、同じように循環する。それを見せつけられたような気がしました。

物語が突きつける、残酷な人生の真実。それはとても切ないですが、最期にドローゴがそれを受け入れたかのように、自分はそれとどう向き合うのか、読み終えた後も考えさせられました。
結城浩さんの「数学ガールの秘密ノート 式とグラフ」を再読しました。

このところ忙しさを理由に、本を読んだり数学の勉強をできてないなあと思ったので、久々に結城浩さんの数学ガール・シリーズを読むことにしました。本編の方は少し難易度が高いので、とりあえずお手軽な秘密ノート・シリーズを読み返すことにしました。(^^;

式とグラフの関係について、とてもわかりやすくまとめられていて読みやすかったです。でも恒等式とか、和と差の積は2乗の差とか、基本的なことも忘れていて焦りました。(^^; 勉強は毎日の積み重ねが大事だと、あらためて思いました。

シリーズの中でも薄い本でしたので、練習問題をこなしつつも、手待ち時間などにちょこちょこ読んでいましたが、1週間くらいで読み終えました。やはり結城先生の説明は、ていねいでとてもわかりやすいですね。(^^)
久々にCでプログラミングしようと思ったら、ポインタまわりの理解が怪しくなっていたので、この本を読みました。(^^;

同じ著者の旧版も持っていますが、改訂版ではC99やC11についても触れられているので、どうせならと新しいものを読みました。第1章〜第3章でポインタについて基本的なところから解説して、第4章と第5章ではそれを踏まえた実践編、第6章は本編で書ききれなかった細かな部分について触れています。

第4章以降はマニアックな感じなので^^;、普通にプログラムを書くなら第3章まで読んでおけば何とかなりそうですね。
一番気になっていたC99やC11での変更は参考になりましたが、根本的にCの文法が変態的なのは変わらないので、やむを得ずCを使わなければならない場面以外では、他の言語を使った方が幸せになれそうな気がしました。(^^;
月村了衛さんの「追想の探偵」を読み終えました。

この作品の主人公は、特撮旬報という雑誌を1人で切り盛りする編集者・神部実花です。彼女は幼い頃から特撮が大好きで、それが高じて特撮関係を扱う出版社で働いています。

そんな彼女の特技は、ほぼ見つけるのが不可能と思われるような人物を探し出すことでした。実花は、その特技を活かして特撮旬報の目玉となる企画を実現させます。

物語のメインは、そんな実花の人捜しです。この本には、「日常のハードボイルド」「封印作品の秘密」「帰ってきた死者」「真贋鑑定人」「長い友情」「最後の一人」の6作が収録されています。

これまでの著者の作品と雰囲気が異なるので、最初は少し戸惑いましたが、ライト・ミステリー作品としてはそこそこ面白かったです。

6作の中で一番好きなのは、「封印作品の秘密」です。逆に今ひとつだったのは、「最後の一人」でした。
月村了衛さんの「黒涙」を読み終えました。

前作「黒警」で、警視庁の組織犯罪対策部の沢渡は、義水盟の沈と兄弟の契りを結び、警察内部の黒色分子として活動することになりました。

今回は、中国に対する防諜が大きな問題となり、特別チームが編成されることになりました。その中に、なぜか冴えない警察官の沢渡も選ばれました。沢渡は中国語に堪能だったために、今回のメンバーに選ばれました。しかし、捜査チームが調査を続けても、全く成果が上がりません。

そこで沢渡は、沈の人脈を頼り、インドネシアの青年実業家ラウタンに捜査への協力を求めました。表向きは実業家のラウタンですが、沢渡と同じく沈とは兄弟の契りを結んでいました。ラウタンからの情報により、捜査は急激に進展します。

ところが、ラウタンにシンシアという中国諜報機関の美女が接触してきました。ラウタンは危険を承知で、シンシアとの関係を続けます。そして物語は、悲劇的結末を迎えます。

前作と比べて、中盤以降が物足りませんでした。ラウタンとシンシアの関係が、物語に予想外のイレギュラーをもたらすのかと思えばそうでもなく、後半の展開が駆け足すぎる上に残虐すぎて読み終えた後に気分が悪くなりました。(+.+;
月村了衛さんの「黒警」を読み終えました。

警視庁の組織犯罪対策部に所属する沢渡は、冴えない警察官です。警察の悪い慣習に染まり、上のいうことには逆らわず、もめ事には積極的に関わらず、離婚した妻への慰謝料の支払いにも困り、死んだような毎日を送っていました。

そんな沢渡は、偽造商品の販売経路の調査中に、かって知り合ったヤクザ・波多野の出会いました。なぜか波多野も、沢渡が追っている内容に関心を持っています。さらに、そんな2人に裏社会の組織・義水盟の沈という人物が接触してきました。この出会いをきっかけに、物語の中盤以降で沢渡は大きく変わることになります。

お話の中盤までは、沢渡の情けなさにうんざりさせられましたが、中盤以降で覚悟を決めてからの活躍はとても面白かったです。この作品は続編も刊行されているので、そちらも続けて読んでみたいと思いました。
月村了衛さんの「東京輪舞」を読み終えました。

物語の主人公は、公安警察官の砂田修作です。公安以前は、田中角栄邸の警備を担当していた砂田は、邸宅への不法侵入者を阻止した時に負傷しました。そんな砂田を、角栄はわざわざ見舞いに訪れました。そんな角栄に、それから砂田は親近感を持つようになりました。

ところが、彼が公安に配属されて最初に手がけた大きな事件は、皮肉なことにロッキード事件に関わるものでした。事件の捜査が進む中、砂田たちは事件の背後にソ連が関与しているらしいことを突き止めました。その事件の捜査中に、砂田はKGBのクラーラ・ルシノワという女性と関わることになりました。

ロッキード事件の捜査が終わった後も、東芝COCOM違反事件、ソ連崩壊、オウム真理教による地下鉄サリン事件、警察庁長官狙撃事件と、数々の事件に砂田は関わることになります。その中で、何度か砂田はクラーラと再び顔を合わせることになります。敵対する相手として出会った砂田とクラーラですが、2人は互いに相手に惹かれるものを感じていたのです。

砂田は部下だった眉墨圭子と結婚した時期もありましたが、この結婚は長続きしませんでした。砂田の心に、クラーラの影があることを圭子は見抜いていました。また圭子が、砂田以上に公安警察官として優秀だったことも破局の原因となりました。

こうして物語は、青年だった砂田が老人となり、警察を退職したところまで描かれて完結します。その間に砂田は、さんざん警察内部の腐敗を見せつけられました。かっては砂田と意気投合して、共に理想を語った上司の阿久津には理想を追求する意思はなく、腐敗の内部に取り込まれて、それを隠蔽する側へとまわりました。

この作品は、舞台が日本で自分自身もリアルタイムで当時の状況を知る事件が登場して、物語に引き込まれました。
過去も現在も日本国内において、諜報機関同士の駆け引きや警察内部の権力闘争が行われているかと思うと、この世界はどれだけ深くて複雑なんだろうと感じました。
ピーター・トレメインさんの修道女フィデルマ・シリーズ第4作「蛇、もっとも禍し(下)」を読み終えました。

上巻では、2つの殺人事件と消えたエイダルフの行方という大きな問題に挑むことになったフィデルマでしたが、その全容ははっきりしないままでした。下巻では、それが次々と明らかになっていきます。その背後には、アイルランドの古の宗教にまつわること、この時代のアイルランドの勢力争い、兄妹の反目と元夫妻の反目など、さまざまな要素が入り組んでいました。

中盤以降の展開が、少し急すぎる気はしましたが、ラストの裁判官の前でのフィデルマの弁論は読み応えがあって面白かったです。修道女ブローナッハとベラッハの関係など、読んでいる途中で何となくそうかな!?と思っていた部分もありましたが、殺人事件の犯人が誰なのかは最後までわからなかったので、ドキドキしながら読みました。

最後の解説は、田中芳樹さんでした。その中で田中さんが、「ヒロインのフィデルマがあまり好きじゃない」と書かれているのに、ちょっと共感しつつも^^;、そう思ったのが私だけじゃなくてよかったと思いました。
今回はフィデルマ以上に高慢なドレイガン院長という人物がいたおかげで、いつもほどフィデルマの高慢さが目立たなかったのかも。(^^;
ピーター・トレメインさんの修道女フィデルマ・シリーズ第4作「蛇、もっとも禍し(上)」を読み終えました。

しばらくこのシリーズを読んでなかったなあと思ったら、第3作を読んだのはなんと3年前でした。(^^;

今回のお話では、フィデルマが"三つの泉の鮭"女子修道院で首なし女性の死体が発見された事件の調査に赴きます。
ところが、その途中でフィデルマの乗った船は、無人で漂っている船と遭遇しました。船の様子を調べたフィデルマは、そこで自分がエイダルフに渡した書籍を発見します。ローマにいるはずのエイダルフが持っているはずの物が、なぜここにあるのか。フィデルマは不審に思い、エイダルフの身に何か起きたのかと案じます。

しかし船には、これといった手がかりもなく、結局フィデルマは当初の目的地である修道院へと向かいます。現地についてみると、修道院の院長とその土地の有力者が対立していました。事件の調査を進める中で、対立する2人が兄妹だと知ります。2人は過去のしがらみが原因で、対立していたのです。

そして事件の調査が進まない中、新たなる殺人事件がおきました。修道女の1人が、何者かに最初の死体と同じように殺されていたのです。その犯人を、院長は身体に障害をもつベラッハ修道女だと決めつけ、ほかの修道女たちを煽って彼女を抹殺しようとします。しかし、その目論見はフィデルマの活躍で阻止されました。

というわけで、上巻ではさまざまな事件や状況が明らかになりますが、その真相はまだ全くわかりません。2つの殺人事件と、エイダルフに託した本をフィデルマが見つけたことの間には、何か関連があるのでしょうか。下巻で、どんな真相が明らかになるのか楽しみです。(^^)
垣根涼介さんの「信長の原理」を読み終えました。

著者には先に、「光秀の定理」という明智光秀を主人公とするお話がありますが、この作品では信長側から物語が始まります。

物語の中盤くらいまでは、信長自身の視点でお話が動いていきます。幼い頃から癇が強く、周囲から持て余されていた信長が、蟻の行動を観察していて全体の中で、やる気があるのが2割、どっちつかずが6割、やる気がないのが2割という法則に気づきます。それが、その後の信長の行動を決定する上で大きな役割を果たすことになります。

光秀の時の確率の話もそうでしたが、今回の信長の気づいた原理もビジネス書などで話題にされたものでしたので、新鮮味に欠けると思いました。しかし、一方で神も仏も信じないと公言する信長が、松永弾正と出会い利害とは無関係に尽くされたことが、その後の松永の裏切りへの対処に微妙な影響を与えることになるのは興味深かったです。

本能寺の変が描かれたところで物語は終わりますが、全編を通して見た時、共に悪逆非道の限りを尽くしていると世間では言われている信長と松永弾正が、互いに共感し合うところがあったというのが一番面白かったです。

後半は視点が信長から光秀に移り、彼が精神的に追い詰められて、信長に刃を向けざるをえなくなる事情が描かれます。
それはそれで面白くはありましたが、できればもっと信長視点で物語を進めて欲しかったですね。(^^;
同じ著者の「ライフハック大全」と会わせて読み始めましたが、後から発売されたこちらを先に読み終えました。(^^;

この本では、知的生活のための様々なアイディアや考え方が紹介されています。知的生活というと堅苦しいイメージがありますが、自分が本当に大好きなことを積み重ねて、好きを消費するだけでなく、得たものから新たな価値を発信しようという提案をされています。

そのための考え方や整理方法、発信方法などを説明する中で、ツールやアプリ、サービスなどが紹介されます。著者はこういったツールの導入に積極的で、それぞれは興味深いものでした。ただ、実際にそれを導入するとなると、意外と利用コストがかかりそうです。
また著者が英語に堪能なせいか、日本語化されてないアプリも紹介されていて、それがさらに敷居を高くしている気がしました。(^^;

この本で特に興味深かったのは、知的投資とファイナンスという1章があったことです。知的生活にはストイックなイメージもありますが、知識や情報を得るにはお金もかかります。自分の収入のどれくらいを知的投資と考えればいいのかから始まり、自分が発信した情報から収入を得る方法まで紹介されているのは驚きました。

もちろん、お金を稼ぐことが目的ではありませんが、それが自分のやる気の維持や知的投資のための収入につながるなら、こんないいことはないと思います。
結城浩さんの「数学ガールの秘密ノート 行列が描くもの」を読み終えました。

「数学ガールの秘密ノート」は、読み逃しているものも何冊かありますが^^;、とりあえず最新刊のこの本を読みました。
今回のテーマは、行列です。"僕"とユーリの基本的な話から始まり、テトラちゃんとの会話でさらに複雑な内容へと進み、最後にミルカさんの登場という流れですが、今回は久々にリサが登場して、ミルカさんの話を図として示してくれたので、後半の内容もイメージがつかみやすかったです。

行列は学生時代にきちんと勉強する機会がなかったので、この本のおかげで基本的なところから学ぶことが出来てよかったです。最初は本の内容をなぞって、自分で手を動かして計算して確認しつつ読み進めていましたが、時間的な余裕がなかったので、途中からは概要をつかむだけの読み方になってしまったのが心残りです。(^^;

一度読んで全てを理解できたとは思えないので、またいつか再読したいなあ。
松本健太郎さんの「データサイエンス超入門」を読み終えました。

データサイエンスでは、データをどんな風に扱い、理解して分析しているのか、身近な話題をサンプルに説明している本です。個々の事例の検討はそれなりに興味深かったですが、"超入門"な本なので「ふ〜ん」という感じでした。(^^;

データサイエンスに興味を持ってもらうための本なので、詳しいことは別の本で勉強してねということなのでしょうが、分析するための資料の集め方、分析する手法についてのもう少し突っ込んだ説明が欲しい気がしました。

結局データサイエンスの考え方の流れを、ものすご〜く簡単に説明した第0章が一番「なるほど」と思ったかも。(^^;
マヌーシュ・ゾモロディさんの「退屈すれば脳はひらめく」を読み終えました。

サブタイトルとして、「7つのステップでスマホを手放す」とありますが、スマホ限定でなく、パソコンやタブレットといったデジタル機器全般に通じる内容だと思いました。

著者は育児中の経験から、退屈することの必要性に気がつきました。いっけん無駄と思える退屈している時間が、創造力の源となっていたのです。そこで著者は、自らのPodcastで参加者を募り、一緒に7つのレッスンを毎日こなすことにしました。

1つ目は、自分を観察すること。
2つ目は、移動中はスマホをしまうこと。
3つ目は、写真を撮らずに1日過ごすこと。
4つ目は、時間を奪われるアプリを削除すること。
5つ目は、静かな時間を確保するために休暇をとること。
6つ目は、いつもとは違うものを観察すること。
7つ目は、マインドフルネスとマインドワンダリングの取り入れ。

これらのレッスンを経験した結果、参加者のスマホ使用時間は若干減少しました。しかし利用時間の減少よりも重要なのは、何となくスマホを使うのではなく、自ら自覚してスマホを利用するようになったことです。

サブタイトルを見ると著者がスマホを否定しているように思えますが、彼女は今の時代に全くスマホなしで生活することは無理だと認めています。そして、スマホとの適切な距離感を知ることが大切だと訴えています。

うっかり始めたゲームに夢中になって、せっかくの休日を潰してしまったことや、人と会っている時にもSNSのことが気になってしまったり。実体験に基づく著者の主張には、とても共感できました。

スマホを使えばこんなに便利という情報はあふれていても、スマホとの適切な付き合い方を教えてくれる機会はなかなかありません。自分とスマホの付き合い方を見直したい方に、おすすめしたい本ですね。(^^)
ウィリアム・ゴールドマンの「マラソン・マン」を読み終えました。

コロンビア大学に通う奨学生リーヴィは、歴史学を学びつつマラソン・ランナーとしても一流になることを目指しています。彼の父は、アカ狩りの犠牲となって汚名を着せられ、自殺していました。リーヴィが歴史学を専攻するのは、そんな父の無念を晴らすためでした。

そんなリーヴィの物語と並行して、怪しげな組織に所属する殺し屋らしきシラという男の行動が描かれます。なぜ2つの異なるようにみえる物語が、同時に進行するのか最初は戸惑いました。しかし、第2部の最後で一気に謎が解き明かされて、全てがつながってくるのが爽快でした。

やがてリーヴィも、怪しげな男たちから狙われるようになります。詳しく内容を書くと、ネタバレになってしまうのでこれ以上書けませんが、第3部から物語が大きく動くところも面白かったです。(^^)
月村了衛さんの「ガンルージュ」を読み終えました。

物語の舞台は、群馬県利根郡のとある小さな町。そこに潜伏していた韓国の次期大統領候補が、彼を狙った韓国軍の特殊部隊に襲われます。町の人たちから、別荘御殿と呼ばれるその場所に、中学1年生の祐太朗と麻衣が居合わせてしまいました。特殊部隊は要人を確保すると共に、祐太朗たちも人質にとって国外へと逃亡しようとしています。

それと戦うのが、元公安の刑事で祐太朗の母の秋来律子と、PTAから目を付けられている体育教師・渋矢美晴のコンビです。律子は、公安でも有能な人材として知られていました。しかし警察内部の腐敗が原因で夫が殺され、今では辞職してこの町でひっそり暮らしていました。そして美晴の元彼も公安関係者でした。

そんな律子と美晴が、コンビを組んで特殊部隊に挑みます。戦いの中、律子は部隊を率いているのは、かって夫を殺したキルだと気づきました。しかも相手は、特殊部隊の中でも最精鋭がそろっています。こんな強敵を相手に、律子と美晴がどう戦うのか。そして祐太朗と麻衣の運命はどうなるのか!?

物語的には、著者の類似作品でおなじみの展開でした。それでも、かっての経験を元に戦う律子と、強運を武器に金属バットで戦う美晴のコンビが楽しかったです。(^^;
口八丁のジョニーと力持ちのサムが活躍するユーモア・ミステリーです。

本の訪問販売をしているジョニーとサムは、とあるホテルに宿泊していましたが、宿泊費を滞納していました。ある日、ジョニーが宿に帰ると、鍵穴にフランス鍵が入れられていて、部屋に入ることが出来ません。支配人は彼が宿泊費を払わなければ、フランス鍵を外してくれそうにありません。

運良く相棒のサムが、間違って渡された隣の部屋の鍵を持っていました。そこでジョニーは、窓伝いに自分たちの部屋に入り、部屋に置いてあった物を持ち出そうとします。ところが、完全な密室になっていたはずの彼らの部屋で、見知らぬ男が殺されていました。男は年代物の金貨を握りしめていました。

男の手から金貨を取ったジョニーは、それが1822年に作られた貴重な金貨だと気づきました。殺されていた男の正体を探り、金貨の謎を調べることで、ジョニーとサムは事件の真相に近づいていきます。

お話的には、ミステリーというよりドタバタ・コメディといった感じでした。
お金もなく警察に追われる身となっても、あえて犯人が利用しないであろう高級ホテルに宿泊するジョニーの機転と口八丁には笑わせられながらも、どこか生き抜くたくましさを感じました。
読み始めてから1年くらいかかりましたが^^;、ようやく「失われた時を求めて(4) 花咲く乙女たちのかげに II」を読み終えました。

前巻から2年後、"私"は祖母と一緒に、ノルマンディーの保養地バルベックに滞在することになりました。物語はその出発から帰還までの数ヶ月の一夏を、これでもかというくらいに詳細に描いています。(^^;
"私"がバルベックに到着するまでで、50ページくらいかかります。初めて自宅や母から離れて暮らす"私"の詳細な心理描写など、それだけでも十分な読み応えがありました。

ようやくバルベックに到着に到着したものの、"私"は初めてのホテル暮らしになかなか慣れません。その転機となったのは、祖母のヴィルパリジ公爵夫人との出会いでした。さらに夫人の甥のサン=ルー侯爵との出会いによって、"私"はあちこちと出歩くようになります。

しかし何より決定的なのは、サブタイトルにある「花咲く乙女たち」との出会いです。最初は"私"は、彼女たちの姿を遠くから見ることしかできません。何とか彼女たちとお近づきになろうとしますが、なかなか上手くゆきません。
そんな時、"私"は画家のエルスチールと知り合います。エルスチールは、"私"がバルベックの芸術で見落としているものを指摘してくれただけでなく、乙女たちとのつながりを作ってくれました。

こうして"私"は、ようやく乙女たちと知り合うことができました。最初は彼女たちの1人1人を把握できなかった"私"でしたが、やがてそれぞれの個性に魅了されます。中でもアルベルチーヌという娘が"私"の心を引きつけました。"私"はアルベルチーヌとさらにお近づきになろうとしますが、"私"の下心は娘たちに見抜かれているようで上手くゆきません。

そんな中、アルベルチーヌが早朝からパリに出かけるために、"私"の泊まっているホテルに宿泊することになりました。
アルベルチーヌは、かなり思わせぶりな言葉で"私"を誘惑します。しかし、その夜にアルベルチーヌの部屋を訪れた"私"は、あっけなくアルベルチーヌに肘鉄を食らわされてしまいます。(^^;

そんなアルベルチーヌの態度に、"私"はショックを受けますが、ジルベルトへの恋に破れた時のように荒れることもなく、その後も適度に距離を置きつつアルベルチーヌや他の乙女たちとの関係は続きます。

しかし、その時間も永遠に続くわけではありません。滞在を終えた乙女たちは次第にバルベックを離れ、ホテルに残る人たちの姿も少なくなります。そして"私"も、バルベックから帰還する日が来るのでした。

要約すれば、この巻は"私"がバルベックで過ごした一夏の物語です。しかし、それが詳細に650ページほどの分量で詳細に描かれます。風景の描写も多いですが、それ以上に緻密に描かれているのがバルベックに集まる様々な人々の言動や、"私"の心の動きです。

前巻と同じく、細かに章立てされているわけでなく、延々と物語が続いてゆくので、読むのを一区切りするタイミングが決めづらいです。結局、読み疲れたところで止めて、次に読んだ時に内容がつながらなかった時は少し前から読み返して記憶を繋いでゆく方法で読み切ることが出来ました。(^^)
火星の人アンディ・ウィアーさんの「火星の人」を読み終えました。

3回目の有人火星探査が行われていました。火星に無事到着したメンバーでしたが、強烈な砂嵐に襲われて火星からの退去を余儀なくされました。その過程で、折れたアンテナの直撃を受けたマーク・ワトニーは、砂嵐の中に消えました。船長はギリギリまで彼を探しましたが、他のメンバーを守るためにワトニーを残して火星から離脱しました。

すでに死んでいると考えられたワトニーでしたが、彼は奇跡的に生き延びていました。しかし通信機は破壊されており、彼は地球に連絡することさえできません。そんな絶望的な状況にもかかわらず、ワトニーは残された物資を利用して命を繋ぎます。さらにハブの中で、今後不足する食料を得るためにジャガイモを栽培し始めます。

やがて彼が生きていることは、火星の様子を衛星から観察していた地球も知りました。彼らはワトニーを救うために、追加物資を火星に送り届けるミッションをスタートさせます。その間に、パスファインダーから部品を手に入れたワトニーは、地球との交信手段を見つけ出しました。

ミッションを知ったワトニーは、さらに生存のための努力を続けます。しかし、突貫工事で作られたロケットの打ち上げに失敗。さらに脱出準備の作業のミスで、地球との交信手段も失われてしまいました。

たった1人で火星に残されたワトニーの奮闘。彼を救うために、あらゆる努力を惜しまない地球スタッフ。そしてワトニーを残して火星から離れた他のクルーたちの思い。それが上手く融合していて、物語の緊張感を維持しながらサクサク読めました。

最初ワトニーが残している記録の文章が、軽すぎる気がしましたが、最後はこういうメンタルの持ち主だからこそ絶望的な状況に耐えられたのだと納得できました。(^^)