日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆

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2018-05-31 (Thu)

燃えつきた地図/安部 公房

燃えつきた地図/安部 公房

安部公房さんの「燃えつきた地図」を読み終えました。興信所の男が、半年前に失踪した夫の行方を捜して欲しいという依頼を担当することになりました。男はできる限り情報を集めて、調査に乗り出そうとします。しかしなぜか、妻から聞き出せる情報はわずかしかありません。妻は全ては弟に任せてあると言うばかりです。調査員の男は、これは何かの偽装工作ではないのかと勘ぐりながらも調査を開始します。調査の過程で、妻の弟と出会...

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2017-12-14 (Thu)

芥川竜之介紀行文集/山田 俊治編

芥川竜之介紀行文集/山田 俊治編

ちょこちょこ読んでいたら、読み終わるまでに2ヶ月くらいかかりましたが^^;、「芥川竜之介紀行文集」を読み終えました。これまで芥川作品は、小説は読んだことはあっても、日記や随筆などは読んだことがありませんでした。本屋で手に取った時、なんとなく面白そうと思って読み始めたのですが、紀行文でありながら著者の人間くささをより感じさせる内容でした。前半は松江や京都、槍ヶ岳、長崎、軽井沢など国内の旅の様子が語られ...

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2016-09-17 (Sat)

走れメロス/太宰 治

走れメロス/太宰 治

太宰治の「走れメロス」を読み終えました。北村薫さんの作品や三上延さんの「ビブリア古書堂シリーズ」などで太宰治の作品が登場することもあり、このところ太宰治の作品を読もうと思っていましたが、それでもなかなか読み始めることができませんでした。むかし、「人間失格」だけは読んだことがあるのですが、今では全く内容を覚えていないところをみると、面白さや共感を覚えることもなかったのだと思います。今回ようやく読んだ...

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2016-09-05 (Mon)

こころ/夏目 漱石

こころ/夏目 漱石

漱石の作品はいろいろと読んでいるのに、これまでどうしても読み通せなかった「こころ」を、ようやく読み終えました。学生時代にその一部が授業で取り上げられた時は、今ひとつこの作品の面白さがわかりませんでした。今考えてみると、それは作品を書かれた時代と現代の、人の生き方の違いのようなものが理解できなかったからだと思います。主人公の「私」は、とある縁から「先生」と呼び尊敬する人と知り合います。先生はかなりの...

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2012-07-22 (Sun)

苦役列車/西村 賢太

苦役列車/西村 賢太

西村賢太さんの芥川賞受賞作、「苦役列車」を読み終えました。全く興味がない作家さんであり、作品だったのですが、映画化されたと聞いて何となく読んでみました。この本には2つの短編が収録されています。どちらも主人公は北町貫多ですが、1つ目の「苦役列車」は貫多が中卒で日雇いの港湾労働者をしていた頃の物語、もう1つの「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」は、40代になって作家になっている貫多の様子が描かれています。こ...

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2012-06-12 (Tue)

コルシア書店の仲間たち/須賀 敦子

コルシア書店の仲間たち/須賀 敦子

須賀敦子さんの「コルシア書店の仲間たち」を読み終えました。先に読み終えた同じ著者の「ミラノ 霧の風景」にも登場するコルシア・デイ・セルヴィ書店。この本では、その書店に集まってきたさまざまな人々が描写されていました。「ミラノ 霧の風景」では、ミラノという土地がタイトルになっていたせいか、話題があれこれと移り変わりましたが、この作品では書店に関わった人々という視点で話題が固定しているのが、まとまりを感じ...

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2012-05-25 (Fri)

ミラノ 霧の風景/須賀 敦子

ミラノ 霧の風景/須賀 敦子

須賀敦子さんの「ミラノ 霧の風景」を読み終わりました。この本のことは、池澤夏樹さんのエッセイで知りました。以前から気になっていた本でしたので、ようやく読んだ〜という感じでした。この本は、著者がミラノに在住していた頃の思い出を綴った本です。まだ海外留学が珍しかった時代に、海外へと出て行き、イタリア人の男性と結婚した著者の行動力には驚かされます。題名にはミラノとついていますが、エッセイに出てくるのはミ...

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2012-05-10 (Thu)

吾輩は猫である/夏目 漱石

吾輩は猫である/夏目 漱石

夏目漱石の「吾輩は猫である」を読み終えました。以前、岩波文庫から出ている新仮名新漢字のものを読んだことがあるのですが、今回読んだのは旧かな旧漢字のものです。多少、最初はとっつきにくかったですが、慣れれば旧かなの方が味わいがあるなあと思うようになりました。あまりにも有名なこの作品ですが、私の身近ではなぜか通しで読んだことがある人は少ないです。猫の目から人間の世界を見た様子を描写しているのが楽しい作品...

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2012-01-06 (Fri)

乙女の密告/赤染 晶子

 乙女の密告/赤染 晶子

赤染晶子さんの芥川賞受賞作、「乙女の密告」を読み終えました。赤染さんの作品は、以前「うつつ・うつら」という短編集を読みました。その後、芥川賞を受賞されたことは知っていましたが、今まで何となく受賞作を読まずにきてしまいました。前作もそうでしたが、それほど分量がある作品ではなかったので、この機会に読んでみることにしました。舞台となるのは、京都のとある外国語大学。登場人物は、そこに通う乙女たちとドイツ語...

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2008-12-19 (Fri)

うつつ・うつら/赤染 晶子

うつつ・うつら/赤染 晶子

桜庭一樹さんの本でこの作品のことを知って、何となく手を出してみました。この本には、「初子さん」と表題作「うつつ・うつら」の2編が収録されています。「初子さん」は、勉強はあまり得意ではないけれど洋裁が得意で、それで生計を立てている初子さんを主人公にした物語でした。一見ほのぼのとした作品なのですが、読み進んで行くと人生のやるせなさや悲しさを凝縮したような重苦しさが感じられました。本当の貧乏の辛さ、生き...

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2007-06-15 (Fri)

三四郎/夏目漱石

三四郎/夏目漱石

時々、無性に日本の古典的な作品が読みたくなることがあります。今回、手を出したのは夏目漱石のこの作品でした。田舎から東京へとやって来た三四郎が、都会で暮らすうちに様々な経験と恋をする様子を淡々と描いた作品なのですが、三四郎が知り合う人物がとても個性的で楽しい作品でした。お話の後半は、三四郎と美禰子の恋の行方がメインになります。結局、この恋は三四郎の片思いに終わるのですが、ドロドロしたところがなくて青...

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