日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆

Top Page › Category - 池澤 夏樹
2018-08-25 (Sat)

詩のなぐさめ/池澤 夏樹

詩のなぐさめ/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「詩のなぐさめ」を読み終えました。読む順序が逆になってしまいましたが、「詩のきらめき」より前に発表された「詩のなぐさめ」を読みました。「詩のきらめき」を読んだ時もそうでしたが、著者くらいの方でも詩はそっけなく、わかりにくいと思うことがあるのを知って、ちょっとだけ安心できました。(^^;さらに驚いたのは、あの谷川俊太郎さんさえ「詩人のふりをしているが/私は詩人ではない」というフレーズのある...

… 続きを読む

2018-08-17 (Fri)

キトラ・ボックス/池澤 夏樹

キトラ・ボックス/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「キトラ・ボックス」を読み終えました。この作品は、「アトミック・ボックス」の姉妹編的なお話でした。物語の中心は、新疆ウイグル自治区から日本に留学している可敦(カトゥン)と、「アトミック・ボックス」で宮本美汐に協力した元恋人の考古学・藤波三次郎です。この2人が協力して、キトラ古墳の埋葬者にまつわる謎を追います。しかし可敦は、何やら隠された使命を持っているようです。彼女の兄は、ウイグルの独...

… 続きを読む

2018-08-11 (Sat)

カデナ/池澤 夏樹

カデナ/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「カデナ」を読み終えました。タイトルからもわかるように、沖縄の嘉手納基地が絡んだ物語です。とはいえ現代が舞台ではなく、ベトナム戦争末期の時代の物語です。物語の語り手となるのは、アメリカ人の父とフィリピン人の母を持つフリーダ=ジェイン、沖縄生まれでサイパンで暮らし終戦と共に帰国した嘉手苅朝栄、沖縄のロックバンドでドラマーをしているタカ。この3人の視点から、物語が語られていきます。フリー...

… 続きを読む

2018-08-06 (Mon)

アトミック・ボックス/池澤 夏樹

アトミック・ボックス/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「アトミック・ボックス」を読み終えました。社会学者の宮本美汐は、癌で亡くなった父からある重要な物を託されました。漁師になる以前に、父は「あさぼらけ」と呼ばれる計画に関わり、プログラマとして働いていたのです。しかし、その計画は突然アメリカからの要請で中止に追い込まれました。それ以来、父は工学とは無縁の漁師として生きてきたのです。国の重要機密に関わった父は、公安の捜査官から常に行動を監視...

… 続きを読む

2018-07-30 (Mon)

詩のきらめき/池澤 夏樹

詩のきらめき/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「詩のきらめき」を読み終えました。この本の前に、「詩のなぐさめ」という本も刊行されていましたが、知らずにこちらを先に読んでしまいました。(^^;この本では、古今東西のさまざまな詩について、著者が岩波書店の「図書」という雑誌に発表した文章がまとめられていました。この本を読んだことで、さまざまな詩があることを知ることができました。本を読むのは好きですが、その中でちょっと苦手だなあと思っていた...

… 続きを読む

2018-07-20 (Fri)

終わりと始まり2.0/池澤 夏樹

終わりと始まり2.0/池澤 夏樹

終わりと始まり 2.0池澤夏樹さんの「終わりと始まり2.0」を読み終えました。2013年4月から2017年12月まで、月1回朝日新聞に掲載されたコラムをまとめた本です。この本を読んだことで、2011年からの日本が、本当にたいへんな状況だったことに改めて気づかされました。安全だと言われた原発事故後も、誰も責任を取らない国や電力会社に怒りを感じます。そればかりか、過去に学ばず原発再稼働の強行。安全性よりも、国の体面や電力...

… 続きを読む

2016-07-10 (Sun)

星の王子さま/サンテグジュペリ

星の王子さま/サンテグジュペリ

池澤夏樹さんが翻訳された、サンテグジュペリの「星の王子さま」を読み終えました。2005年に岩波書店の翻訳権が切れて以来、この作品のいろいろな翻訳が本屋に並びました。それがちょっと気になりつつも、最初に岩波少年文庫で読んだ内藤濯さん翻訳に不満を感じていなかったので、その他の方々が翻訳された本はこれまで読まずに来ました。でも、その1つに池澤夏樹さんが翻訳されたものがあると知って、これだけは読んでみたくなり...

… 続きを読む

2016-07-04 (Mon)

世界文学を読みほどく/池澤 夏樹

世界文学を読みほどく/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「世界文学を読みほどく」を読み終えました。この本は、2003年の9月に京都大学で行われた7日間に渡る講義をまとめたものです。扱っている作品は、スタンダールの「パルムの僧院」から始まり、トルストイの「アンナ・カレーニナ」、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」、メルヴィルの「白鯨」、ジョイスの「ユリシーズ」、マンの「魔の山」、フォークナーの「アブサロム、アブサロム!」、トゥエインの「ハッ...

… 続きを読む

2015-12-05 (Sat)

スティル・ライフ/池澤 夏樹(再読)

スティル・ライフ/池澤 夏樹(再読)

池澤夏樹さんの「スティル・ライフ」を再読しました。初めて読んだ時も、その静かな世界が魅力的でしたが、再読してもその魅力は変わりませんでした。どこかファンタジックでありながら、その中に凄く深い哲学的なものが潜んでいて、読んでいてはっとさせられることが何度もありました。前回読んだ時は、図書館で借りて読みましたが、この本はこれから先も何度も読み返すことになりそうな気がしたので、買って手元に置くことにしま...

… 続きを読む

2014-11-12 (Wed)

星に降る雪/修道院 池澤 夏樹

星に降る雪/修道院 池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「星に降る雪/修道院」を読み終えました。池澤さんの小説を読むのは、「スティル・ライフ」以来だったと思います。この本には短編の「星に降る雪」と中編の「修道院」の2作が収録されています。「星に降る雪」は、神岡でニートリノの観測施設で働く田村の元に、亡くなった友人・新庄の彼女だった亜矢子が訪ねてきます。田村たちは、一緒に登山する仲間でした。しかし、あるとき雪崩に巻き込まれて、田村と亜矢子は...

… 続きを読む

2012-05-09 (Wed)

雷神帖/池澤 夏樹

雷神帖/池澤 夏樹

「風神帖」と対になる池澤夏樹さんのエッセー集、「雷神帖」を読み終えました。この本では、「風神帖」とは少し趣向を変えて、コンピュータのこと、文学のこと、映画のこと、沖縄のこと、旅行のことなど、さまざまなテーマについて語られています。コンピュータについての話題では、昔読んだことがあるクリフォード・ストールの「インターネットはからっぽの洞窟」などにも言及されていて面白かったです。そして、今回もさまざまな...

… 続きを読む

2012-05-02 (Wed)

風神帖/池澤 夏樹

風神帖/池澤 夏樹

池澤夏樹さんのエッセイ集、「風神帖」を読み終えました。このエッセイ集は、「雷神帖」と対になる2冊で1セットのエッセイ集です。久しぶりの池澤さんの本でしたが、読んでいて心地よかったです。この本では、アイヌに関する記述が多いような気がしました。まだ読んだことはありませんが、池澤さんが北海道を舞台に書いた小説「静かな大地」も、いつか読んでみたいと思いました。この本で私の心に引っかかってきたのは、須賀敦子...

… 続きを読む

2011-05-20 (Fri)

スティル・ライフ/池澤 夏樹

スティル・ライフ/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「スティル・ライフ」を読み終えました。この本には、表題作の「スティル・ライフ」と「ヤー・チャイカ」の2本が収録されていました。池澤さんの小説を読むのは初めてでしたが、その透明感のある内容に驚きました。「スティル・ライフ」は、主人公の青年とバイト先で出会った男性・佐々井とのちょっとしたやり取りを描いただけの作品なのですが、主人公や佐々井の静かな生き方が魅力的でした。リアリティのある物語...

… 続きを読む

2011-05-06 (Fri)

異国の客/池澤 夏樹

異国の客/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「異国の客」を読み終えました。この本は、先に読み終えた「セーヌの川辺」の前日談です。エッセイは、池澤さんがフランスのフォンテーヌブローに移り住むことになったところから始まりました。「セーヌの川辺」でもそうでしたが、上品で落ち着いた文体と共にフォンテーヌブローでの生活、そこで考えたことなどが次々と語られていきます。東日本大震災の後ということもあり、読みながらつい災害や原発について書かれ...

… 続きを読む

2011-04-28 (Thu)

読書癖1/池澤 夏樹

読書癖1/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「読書癖1」を読み終えました。この本は、第一部は本にまつわる軽いエッセー、第二部は1冊の書物についてまとまった批評をしています。本の発行が1990年ということで、たぶん書かれている内容は1980年代後半に書かれたのだと思います。そのせいか、内容的に少し古さを感じさせられるのが残念でした。しかし、特にエッセイでは品がありウイットに富んだ文章で、とても気分よく読むことができました。ワープロ、CD...

… 続きを読む

2011-04-28 (Thu)

ヴァインランド/トマス・ピンチョン

ヴァインランド/トマス・ピンチョン

池澤夏樹=個人編集の世界文学全集、第II集第11巻「ヴァインランド」を読み終えました。トマス・ピンチョンの名前と作品は以前から知っていたのですが、難解というイメージが強くてこれまで手が出ませんでした。でも、池澤夏樹さんの世界文学全集の中にその作品の1つが収録されていると知って、挑戦してみることにしました。この作品はピンチョンの作品としては取っつきやすい方らしいですが、最初はその奇妙な展開に振り回されま...

… 続きを読む

2011-04-23 (Sat)

虹の彼方に/池澤 夏樹

虹の彼方に/池澤 夏樹

池澤夏樹さんのコラム集、「虹の彼方に」を読み終えました。この本は、池澤さんが2000年から2006年の間に月刊「現代」に発表されたコラムを中心に、まとめられた本です。その間に池澤さんの居住地が沖縄、フォンテーヌブローと変わったこともあって、広い視野からの文章を読むことができました。数多くのコラムの中で印象的だったのは、スマトラ沖地震のことを扱った「死を数で扱ってはいけない」というコラムでした。東日本大震災...

… 続きを読む

2011-04-20 (Wed)

本は、これから/池澤 夏樹・編

本は、これから/池澤 夏樹・編

池澤夏樹さんが編集された「本は、これから」を読み終えました。この本では、37人の人々がさまざまな立場からこれからの本についてのエッセイを書かれています。その中でも大きなテーマとなっているのは、iPadなどの登場で身近になった電子書籍についてでした。紙の本という形から、電子データという形に変わることによって、読書がどう変わってゆくのか考えさせられました。私自身についていえば、紙の本を読むのは大好きなのでな...

… 続きを読む

管理人のみ閲覧できます * by -

Comment-close▲

2011-04-17 (Sun)

叡智の断片/池澤 夏樹

叡智の断片/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「叡智の断片」を読み終えました。この本は、さまざまなテーマで過去のいろいろな発言を引用してまとめられています。政治、結婚、愛国心などなど、さまざまなテーマについて、いろいろな人々が言ったウィットにあふれてユーモラスな言葉がたくさん引用されています。読んですぐには意味がわからないものもありましたが、少し考えたり、その後の池澤さんの説明を読んでなるほどと関心したり、笑ってしまったりしまし...

… 続きを読む

2011-04-16 (Sat)

セーヌの川辺/池澤 夏樹

セーヌの川辺/池澤 夏樹

池澤夏樹さんの「セーヌの川辺」を読み終えました。池澤夏樹さんといえば、アニメファンとしては声優の池澤春菜さんのお父さんだなあと考えてしまいます。その他では、池澤夏樹さんが個人編集された河出書房の世界文学全集(そういえば第1期の最初の5冊くらいを読んで挫折中です^^;)を読んだことがある程度で、池澤さん自身の書かれた本は読んだことがありませんでした。そんな時、偶然この「セーヌの川辺」という本を目にして読...

… 続きを読む

2009-12-29 (Tue)

巨匠とマルガリータ/ミハイル・ブルガーコフ

巨匠とマルガリータ/ミハイル・ブルガーコフ

池澤夏樹=個人編集の世界文学全集、第I集第5巻「巨匠とマルガリータ」を読み終えました。物語は、編集者のベルリオーズと詩人のイワンが不思議な外国人と出会うところから始まります。その外国人・ヴォランドは、ベルリオーズの死を予言します。そしてベルリオーズは、その予言通りに悲惨な死を遂げるのでした。なぜヴォランドにはベルリオーズの未来がわかったのか!? それは何と、彼が人間ではなく、悪魔だったからなのでした。...

… 続きを読む

2009-12-12 (Sat)

悲しみよ こんにちは/フランソワーズ・サガン

悲しみよ こんにちは/フランソワーズ・サガン

「太平洋の防波堤」「愛人」と読み進んできた世界文学全集の第1期第4巻ですが、このサガンの「悲しみよ こんにちは」でようやく読み終わることができました。この作品の主人公セシルは、母を亡くして今は父親とその愛人と一緒に別荘にやって来ています。このちょっと特殊な家庭環境の中、セシルは海辺で知り合ったシリルという男の子に惹かれたりしながら、自由奔放に暮らしていました。そこへ現れたのは、母親の友人であったア...

… 続きを読む

2009-12-07 (Mon)

愛人 ラマン/マルグリット・デュラス

愛人 ラマン/マルグリット・デュラス

「太平洋の防波堤」に続いて、同じくマルグリット・デュラスの「愛人 ラマン」を読み終えました。この作品も「太平洋の防波堤」と似た部分を持っています。主人公の少女は、カンボジアの植民地に暮らしています。しかし、その土地は海から浸食されて、作物を育てることができないのでした。家族構成は、「太平洋の防波堤」と少し違って、母親と2人の兄、そして少女です。しかし、この少女には、どこか「太平洋の防波堤」のシュザ...

… 続きを読む

2009-12-05 (Sat)

太平洋の防波堤/マルグリット・デュラス

太平洋の防波堤/マルグリット・デュラス

池澤夏樹さん個人編集の世界文学全集の第1期第4巻のうち、マルグリット・デュラスの「太平洋の防波堤」を読み終えました。この第4巻には、その他に同じくデュラスの「愛人」とフランソワーズ・サガンの「悲しみよ こんにちは」が収録されているのですが、それぞれ個別に感想を書きたいと思います。この「太平洋の防波堤」では、インドシナの植民地に暮らす母親と兄妹の3人家族が描かれました。母親は夫と共にインドシナに希望...

… 続きを読む

2009-11-24 (Tue)

存在の耐えられない軽さ/ミラン・クンデラ

存在の耐えられない軽さ/ミラン・クンデラ

池澤夏樹さん個人編集の世界文学全集の第1期第3巻、ミラン・クンデラの「存在の耐えられない軽さ」を読み終えました。物語の軸となっているのは、トマーシュとテレザ、フランツとサビナという4人の男女の恋愛です。しかし、単なる恋愛小説ではなく、哲学的な内容を持った作品でした。おまけに、時系列に沿って物語が進行しないことも、作品の複雑さに拍車をかけています。物語の随所に作者が顔を覗かせて、物語の進行を妨げるよ...

… 続きを読む

2009-11-14 (Sat)

楽園への道/バルガス=リョサ

楽園への道/バルガス=リョサ

池澤夏樹さん個人編集の世界文学全集の第1期第2巻、バルガス=リョサの「楽園への道」を読み終えました。物語の主人公となるのは、画家のポール・ゴーギャンとその祖母フローラ・トリスタンです。この2人の最晩年の活動から死までを描きつつ、その中に回想という形でそれぞれの過去が物語られるという、ちょっと込み入った構成の物語です。しかし、2人の劇的な生涯の面白さもあり、最後まで退屈することなく読み終えることがで...

… 続きを読む

2009-10-27 (Tue)

オン・ザ・ロード/ジャック・ケルアック

オン・ザ・ロード/ジャック・ケルアック

池澤夏樹さんが個人編集した世界文学全集の第1期第1巻、ジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」を読み終えました。1940年代を舞台に、主人公のサル・パラダイスが、友人のディーンに惹かれてロードへと飛び出して、ニューヨークからサンフランシスコまで旅する様子が第1部では描かれました。わずか50ドルを元手に、ヒッチハイクしながら旅を続けるのですが、計画性はほとんどなく、出たとこ勝負にサルは旅を続けてゆきます...

… 続きを読む