日々の記録

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槐(エンジュ)月村了衛さんの「槐」を読み終えました。

水楢中学の野外活動部は、毎年葦乃湖で合宿することになっています。部長の公一、公一に思いを寄せる生徒会副会長もつとめる早紀、公一の親友の進太郎は受験を控えた3年生、イジメにあって引きこもっていた景子、その幼なじみで薙刀部も兼任している茜が2年生。そしてアウトドア好きで明るく元気な裕太が1年生。

今回はそれに加えて、暴走族に加わったりして問題行動を起こした2年生の隆也も部の顧問の田中先生の進言で合宿に参加することになりました。とはいえ、その田中先生は足を骨折して合宿には参加できません。その代わりに、口うるさくて煙たがられている脇田教頭と、産休教員の代理でやって来た無口で暗い由良先生という、合宿前から何が起きても不思議ではない雰囲気です。

それでも、ようやく合宿地に到着したその夜、異変は起きたのでした。普段からあまり人気のない葦乃湖周辺を、関帝連合という暴力集団が封鎖してしまったのです。彼らは振り込め詐欺で巨額の利益を得ていました。その利益を巡って、組織のトップである溝渕と、それに対立してチャイニーズマフィアの協力を得た蔡の勢力が争っていたのでした。そして、その金が隠された場所こそ、公一たちが合宿にやって来たこの場所だったのでした。

関帝連合の男たちは、キャンプに来ていた者たちを容赦なく殺し始めました。公一たちは為す術もなく殺されそうになりましたが、ここで由良先生の恐るべき正体が明らかになりました。彼女は本物の由良先生ではありませんでした。なんと、由良先生の戸籍を手に入れた女性テロリスト・槐だったのです!

虐殺が行われていることを知った槐は、襲ってきた男たちを倒してその場から立ち去ろうとします。しかし、生徒たちから受けた些細な優しさが彼女の心に引っかかっています。こうして槐は、生徒たちを守るために戦うことになるのでした。その戦闘力は、チンピラたちの比ではありません。槐は確実に1人また1人と男たちを仕留めます。

そして物語の進行と共に、それぞれの登場人物たちが抱えているものが見えてきます。公一のお祖母さんは、振り込め詐欺の被害者でした。それを嘆いた祖母は、自殺して命を落としていたのでした。それ以来、公一の家族はギクシャクしています。そして公一自身も、振り込め詐欺グループの背後に関帝連合がいること。そして、そのトップが溝渕だということを調べ上げていたのでした。

そして生徒たちは、この惨劇をくぐり抜けることで、それまで知らなかった世界を知り、人間的にも成長します。
物語のメインは残虐なアクションですが、最終的に公一たちがたどり着いたところが、とても静かで優しい境地だったのがよかったです。そして堅物の脇田教頭の知られざる真実と、生徒たちを守るための行動には涙させられました。(;_;)

物語としては、かなり都合のいい部分もありますが、最終的にはとても満足できる作品でした。

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(書評)槐
著者:月村了衛 水楢中学校野外活動部、夏の恒例行事である湖畔のキャンプ場での合宿。野外活動部の面々が止まるその夜に惨劇は起きた。キャンプ場に隠された大金を探す半グレ集団・関帝連合がキャンプ場を封鎖、客を虐殺し始めたのだ。囚われの身となった生徒たち。だが、そんな状況下、何者かが半グレ集団に反撃を開始して…… 著者の作品では、しばしばある、ただひたすらにアクションシーンが続く作品...

2017.08.17 01:38 | 新・たこの感想文